和歌を楽しむ豆知識:相模国にかかる枕詞「さねさし」ってどういう意味なの? (2/3ページ)

Japaaan

相模の古称)と言えば頭に「さねさし」とつけるお約束に(もちろんつけなくてもいい)。だから弟橘比売命もそう詠んだのでしょうが、お約束になっているからには何か意味があるはずです。

そこで今回は、古語「さねさし」の語源について紹介。あんまり使う機会もないと思われるものの、ちょっと知っておくと和歌が楽しくなるかも知れません。

実に素晴らしい佐斯(さし)国?

「さねさし」の語源には諸説ありますが、「さねさし」を分解すると「さね」と「さし」から構成されます。

「さね」とは実、つまり実に(=心から)素晴らしいことを意味し、「さし」とは相模国の古称である佐斯(さし)国に由来するのだとか。

佐斯国の概略図(推定)

佐斯国とは現代の神奈川県だけでなく、関東地方の南西部(埼玉県+東京都+神奈川県)一帯を含んでおり、それがさらに南北で北が下佐斯(しもさし⇒もさし⇒むさし。武蔵国)・南が佐斯上(さしがみ⇒さがみ。相模国)に分かれます。

なぜ北が下で南が上なのかと言うと、電車の上り下りと同じく都(畿内)に近い方が上になるのです(※江戸時代の国学者・本居宣長の説に基づく)。

これらを総合すると「実に素晴らしい佐斯の国」となりますが、佐斯国は相模国だけではないのに、どうして相模国の枕詞になったのでしょうか。

もしかしたら、実に素晴らしい佐斯国の中でも都に近い佐斯上=相模を「実に素晴らしい中でも特に素晴らしい」としたのかも知れません。

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