今やビジネスシーンで成功できるかどうかは、「データ」をいかに活用するかにかかっていると言っても過言ではない。
テクノロジーの発展によって私たちの生活が便利になっただけでなく、私たちの行動・言動一つ一つがデータとして蓄積されるようになった。そして、その膨大なデータの塊である「ビックデータ」とAIを活用して、「テック企業」と呼ばれる企業たちが時代の最先端を切り拓いている。
この新世界において、データ活用に遅れをとることは致命的だ。ビジネスの流れに追いつけなくなってしまい、イノベーションも生み出せなくなる。これは企業にとって大きなリスクである。
では、最先端の企業はどのようにデータを活用しているのだろうか?
ここでは、『世界標準のデータ戦略完全ガイド』(バーナード・マー著、山本真麻訳、翔泳社刊)から、いくつかの企業や業界の興味深い成功例に触れ、いかにデータ戦略がビジネスに好循環をもたらすかをのぞいてみよう。
■「顧客を理解する」顧客に対する理解が進めば、顧客のニーズをより的確に捉えられるようになるということは、あらゆるビジネスの基本だ。その顧客理解はデータによってもたらされる。大手テック企業が世界最大手となり、桁外れの影響力を持つ存在になれたのは、データを使って人間を理解したからである。
では、具体的にどのようにデータを活用して顧客を理解しているのか。
●Netflix
本書で成功事例の一つとして挙げられているのが、動画配信サービス「Netflix」だ。
登録会員は2億人超。映画やテレビについて、世界中のオーディエンスの視聴習慣を把握し、過去に評判の良かったテレビ番組のデータを使用して、「完璧なテレビ番組」を制作。ドラマシリーズ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』として配信された。
もちろん、顧客を熱狂させる映画リスト作成や、次に見るべき番組や映画といったことにも活用されているが、データからコンテンツを制作するという試みは興味深い。