ある人が頼むと「厚かましいお願い」として断られることでも、別のある人が頼むとあっさり受け入れてもらえたりする。そこにあるのは「愛嬌」があるかないかの違いかもしれない。
論理的に話せるか、わかりやすく話せるか、といったことがコミュニケーションでは大事だとされる一方で、仕事でもプライベートでも、周りに敵を作らずに自分のやりたいことをすいすいと実現させていく人には、これらに加えて例外なく愛嬌がある。しかし、「愛嬌」は言語化しにくい。だから軽視されがちだし、「媚を売ること」と同一視され、嫌われていたりもする。
媚を売ることと愛嬌があることは、まったく違う。損得で相手を選別して近づいてくる人間を、人は敏感に見抜く。反対に私心なく、どんな相手にでも興味を持って近づいてくる人もいる。関心のベクトルが「自分の利益」ではなく「相手」に向いている人だ。「愛嬌がある人」とはそういう人である。
『仕事ができる人は知っている こびない愛嬌力』(リョウ著、KADOKAWA刊)は、「学歴やスキルよりも愛嬌力の方が仕事には不可欠」「どんな仕事であっても愛嬌力があればうまく回る」として、愛嬌とは何か、どう身につけるのかを解説していく。
もちろん、人それぞれ生まれ持った性格がある。ただ、愛嬌は日頃の習慣を変えることで身につくもの。性格を変えなければいけないのではなく、生まれ持った性格に愛嬌が掛け合わされていくと考えた方がいい。
■愛嬌がある人の人間関係は「100%ギブ」愛嬌がある人と媚を売る人の最大の違いは、人間関係を「損得」で考えるかどうか。ギブアンドテイクの「テイク」がない人間と付き合わないのが前者だとしたら、後者は相手の立場は関係なく誰とでも付き合うし、(実際には難しくても)100%ギブの精神で人と付き合う。
営業で考えるとわかりやすいかもしれない。契約を取るまではマメに足を運んでいたのに契約した途端に来なくなる営業マンは、相手からはいい印象を持たれない。