「年収1000万円」といえば、多くのビジネスパーソンが目標にし、目指している所得額。たしかに、年収1000万円を稼げるのは、日本ではごく一部の限られた人。
もちろん、それだけ稼いでいるならお金に困ることは少ない。ただ、資産はというと案外残らないという現実を指摘しているのが『脱・高収入貧乏』(幻冬舎刊)だ。本書では、この収入帯の人向けに手元に資産を残すためのマネーリテラシーを授ける一冊。
ここでは著者でファイナンシャル・プランナーの永田智睦さんに、「年収1000万の現実」とこの層の人に求められるお金との向き合い方についてお話をうかがった。その後編をお届けする。
■日本人のマネーリテラシーが低いと言われる理由――日本人は一般的にマネ―リテラシーがある人が少ないと言われます。この原因についてどのようなお考えをお持ちですか?
永田:大きく二つあると思っています。一つは日本という国が高度成長期を通じて「国や行政や会社が個人を守る」という価値観でやってきたことです。だから個人でお金の勉強をしなくても、深刻に困ることはなかったんです。
今だって源泉徴収票や給与明細の見方がわからなくて、振込額だけを見ている人はたくさんいます。「会社が何とかしてくれる」というところに甘えてしまっているところはあるのではないでしょうか。
また、その後のバブル崩壊の際に、株や不動産をやっていた人が大損をしたのをメディアが大々的に取り上げたんですよ。これのインパクトは大きくて「やっぱり投資はしちゃだめなんだ」というイメージがついてしまった。これが二つ目の原因だと考えています。
――「投資=悪」ではないのに、そのイメージがついてしまったんですね。