7月27日、北朝鮮は朝鮮戦争の「戦勝記念日」と位置づける軍事パレードを行った。ロシアからショイグ国防相、中国から李鴻忠政治局員が参加したが、なかでも金正恩総書記がショイグ国防相に盛んに話しかけているシーンが目立った。
どうやら、李鴻忠政治局員はショイグ国防相より格下であり、また金正恩氏はロシアに兵器を売り込みたいという下心と、ロシアとの親密さを日米韓、そして中国にアピールしたかったらしい。
軍事パレードでは、次々と北朝鮮の最新兵器が公開された。まず戦闘用ドローンが2機だ。これは米軍の無人偵察機「グローバルホーク」と無人攻撃機「リーパー」を、外見上モロパクリしたものだ。
これらは「北朝鮮の技術は、米国の兵器をそっくりに模倣できる」とアピールするためであろう。ただし最先端兵器というものは、最先端の科学力が必要なので、その能力はまだ不明だ。
また最新兵器だけではなく、北朝鮮には朝鮮戦争時代の古いソ連製の砲弾がたくさんある。それをウクライナ戦で、砲弾不足になっているロシアに売りたいという思惑もあるらしい。すでに去年のニューヨークタイムズ9月5日によると「ロシアは北朝鮮から何百万の砲弾とロケットを購入したと報道されている。
一方、8月18日に、日米韓首脳会談が、ワシントン近郊のキャンプデービッドで行われる予定だ。議題は「北朝鮮問題についての3か国協力拡大」である。こういった会談は、大きな国際会議の後に行われることが多いが、単独で行われるのは珍しい。それだけ北朝鮮を危険視しているということだろう。
北朝鮮はウクライナ戦争を見て「核がないと、他国に侵略される」という思いと「同盟がないと、侵略される」という2つのことを強く思ったことであろう。ウクライナは核もなく、NATOにも入っていないから、ロシアの侵攻を許したのだと。
1948年9月9日、ソ連(ロシア)の朝鮮占領軍が監督する中で北朝鮮は建国した。以来、建国のときから北朝鮮はソ連の傀儡国家であり、頭が上がらない相手であった。それが2023年7月26日、建国後初めてロシアの重鎮ショイグ国防相が、頭を下げて兵器を都合してくれと言ってきた。
中国は北朝鮮の核開発を良く思っていないが、いまさら北朝鮮を切れない。ウクライナ戦争のおかげでロシアとの関係は強化できた。ICBM(大陸弾道ミサイル)で全米を射程に入れることも成功しそうだ。いま金正恩氏はニンマリと笑っているのかも知れない。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
「おぐらが斬る!」休戦70年 北朝鮮はいま何を考えているのか
2023.07.31 19:02
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