衆道(男色)は武士の心得。古来そのように伝えられてきました。
男性同士の愛情は、本能的な欲求や生殖という実利面を求める男女の性愛と異なり、純粋なものとされたのでしょう。
また心身を交えることにより、生死を共に戦い抜く覚悟を固める意味もあったと考えられます。
しかし、戦国乱世も遠く過ぎ去り泰平の世が訪れると、その本義を忘れて好色に耽る手合も増えてきたとか。
武士にとって、衆道とは単なる性欲のはけ口ではありません。そう警鐘を鳴らす者もいたようです。
そこで今回は、江戸時代に生まれた武士道教範『葉隠(葉隠聞書)』が伝える衆道の覚悟について、紹介したいと思います。