愛される英雄
日本の歴史には多くの英雄が登場します。その中には、織田信長のように英雄視される反面、その冷徹非道ゆえに嫌われるという人物もいます。よくいわれる、好き嫌いがはっきりしているタイプです。
その点、源義経は多くの人から愛される「正統派の英雄」といっていいでしょう。義経が嫌われない理由のひとつは、悲劇の英雄に対する判官贔屓があるからだといわれています。
確かに、義経は源平の合戦で源氏を勝利に導いた最大の功労者でありながら、兄の頼朝から冷たくされ、ついには追討されてしまうという悲劇的で短い一生を終えました。
その儚い運命が人々の同情を誘い、ますます義経人気が増幅されているように思います。
その英雄・義経が最も活躍していたのはなんといっても源平の合戦であり、そこで義経はいくつもの戦功をあげました。中でも日本の合戦史に残る戦いが一ノ谷の戦いです。
「一ノ谷の戦い」に至るまで1184(寿永3)年正月、後白河法皇は源範頼と源義経に平氏追討の宣旨を下しました。二人は京都を立ち、追討軍を率いて西へと向かいます。