神々と共に歴史を紡いできた日本において、神々と人間の媒(なかだち)は特別な存在でした。
例えば自らの身に神霊を宿して天意を伝える巫女(みこ)が、歴史上大きな影響を及ぼした事例も多く存在しています。
今回は奈良時代に活躍した巫女•紀益女(きの ますめ)を紹介。果たして彼女はどんな女性で、どんな生涯をたどったのでしょうか。
藤原仲麻呂の乱で活躍?紀益女は生年不詳。元は紀寺(きでら)に仕える奴婢(女性は婢、男性は奴)の出身で、紀益麻呂(ますまろ。同じく奴婢の出身で陰陽頭まで昇る)の一族だったと考えられています。
彼女の生い立ちや暮らしぶりについて詳しいことは伝わっていませんが、死霊が憑依する巫女として知られ、また和気王(わけおう。天武天皇の曾孫)から寵愛されていたそうです。
【和気王の略系図】
天武天皇―舎人親王―三原王―和気王
そんな紀益女は天平宝字8年(764年)10月14日に従五位下と叙せられました。