旧幕臣が新政府を支える
NHK大河ドラマ『青天を衝け』は、「日本近代資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の活躍を描いたものでした。
江戸幕府の旧幕臣だった渋沢が、今度は国の近代化のために租税の改正、貨幣や郵便制度の確立などを行う「改正掛」を設け、同じ旧幕臣の前島密や赤松則良らと侃々諤々の議論をしていたのは記憶に新しいでしょう。
進歩的な気風に富んだ薩長などの雄藩が、旧態依然とした幕府に勝利し、明治維新を主導した――。幕末以降の近代化の流れは、そう捉えられがちでした。
しかし雄藩には当然、全国規模の統治経験はありませんでした。実際は、渋沢のような旧幕臣が実務の継続に貢献していたのです。「敗者」と見られがちな江戸幕府の旧幕臣が果たした役割は大きく、明治政府に引き継がれた旧組織も多くあったのです。