知られざる弁明書
【前編】では、五代友厚の悪評のもとになったいわゆる開拓使官有物払い下げ事件が誤解だったことと、それが政治史に及ぼした影響を解説しました。
【後編】では、五代が記した知られざる弁明書の存在や、五代友厚の人物像について見ていきましょう。
実は、歴史史料として五代の「弁明書」が存在します。
それは関西貿易社の副総監を務めた広瀬宰平に宛てたもので、そこでは事件を巡り「世間ではもっぱら自分が利益を独占していると噂しているが、潔白である」などの主張が記されたものです。
彼は新聞紙上で反論を試みたものの、政府要人から政治の安定のために黙っててほしいと頼まれ、沈黙を守ったそうです。