「女湯の刀掛け」
【前編】では、江戸時代の町奉行所の与力と同心の役割や、意外と裕福だった彼らの暮らしを支えた役得について説明しました。
【後編】では、同心が担った警察機能の具体的な業務などについて詳しく見ていきましょう。
『鬼平犯科帳』では同心・与力が組屋敷に住んでいる様子が描かれていますが、町奉行所でも同様の組屋敷があります。時代劇でもたびたび登場する八丁堀です。
江戸の街には、その地域ごとの特色を表すものとしてさまざまな七不思議がつくられましたが、八丁堀にも七不思議がありました。その中には、与力と同心の日常がよく分かるものもあります。
例えば「女湯の刀掛け」です。刀掛けは風呂に入る際に刀を置く場所であるため、本来なら女湯には無いはずですが、八丁堀の銭湯の女湯にはこの刀掛けがありました。
江戸の街には多くの銭湯があり、江戸っ子たちに人気でした。男湯は朝から混み合いますが、女湯が混むのは昼から夜にかけて。