静嘉堂文庫美術館で、世界に3点しか現存しないという曜変天目(ようへんてんもく。国宝・稲葉天目)を見学してきました。
その表面には満天の星空を思わせる大小の斑紋が鏤(ちりば)められ、あたかも小さな宇宙を再現しているようです。
帰りにミュージアムショップをのぞいてみたら、かわいい曜変天目のほぼ実寸大ぬいぐるみが発売されていました。
天下の名器をほぼ実寸で再現!曜変天目茶碗をほぼ実寸で再現したぬいぐるみ。実物との違いは……ぜひ現地でお確かめください。筆者撮影
「天下の名器を私(わたくし)に用うべからず」
かつてこの曜変天目を所有していた岩崎小弥太(いわさき こやた)はそう言って、生涯にわたりこれを茶碗として用いたことはなかったそうです。
筆者のような俗物は「天文学的巨額の高級品であれ、やはり道具は使ってナンボ。壊れたら直すかもはやそれまで。むしろ本来の用途に使ってあげなければ気の毒」などと思ってしまいますが……。
使うことはもちろん、指一本触れることさえ憚られる曜変天目。しかしその美しい佇まいを、我が掌中に愛でたいと思われる方も、きっと少なくないことでしょう。
そこで実現したのが、こちら「ほぼ実寸の曜変天目ぬいぐるみ」。陶磁器から対極に存在する質感のぬいぐるみという材質をあえて選び、ちょうど掌に収まるようほぼ実寸にこだたったそうです。
美術館の実物はガラスケースの中に鎮座し、ただ目に焼きつけるしかできなかった(※撮影禁止)曜変天目を我が手で疑似体験したい方にとっては朗報と言えるでしょう。