税制改正により、原則として平成25年から、税金を追徴する更正処分など、納税者にとって不利益な処分を行う場合には、すべからくその理由を書面で明確にする(理由附記)ことになりました。税制改正前は、理由附記は例外的な場合にのみ行うこととされていましたが、理由も分からないのに税金を納めさせられるのは常識として受け入れられることではなく、結果として原則になったのです。この理由附記について押さえておくべきは、理由が不十分である場合、納税者に対する不利益処分は違法になる、ということです。このため、国税としては、この理由附記に非常に慎重になっています。
■理由など書けないのが調査官
税制改正が実現してから2年経ちますが、当初の見込みどおり、税務署がぼろ負けする事態が散見されます。法律を読めば分かるから、理由を特に書かなかった、として手痛い目にあった事例もありますが、そもそも論として、税務署の能力からして理由を明確化することは不可能に近い、という事情があります。
法律に詳しくても特に評価されない、という事情もあり、基本的に税務署の職員は法律を勉強しません。明確にすべき理由は、当然ながら法律的に明確でなければ話になりませんので、法律に詳しくない調査官にとっては、非常に気の重い作業になります。
実際のところ、理由附記をする場合、調査官は「文例集」というマニュアルの文例をそのまま使いますが、国税としてはこのマニュアルの整備が遅れている、といった事情もあると考えられるところ、調査官としてはつたない法知識で理由を書かざるを得ず、四苦八苦していると思われます。
■税務調査対策としては?
更正処分などの不利益な処分を行う場合に、理由附記を行う必要がありますので、納税者が自主的に反省して提出する修正申告書で税務調査を終わる場合、原則として調査官は理由附記を行う必要がありません。このため、楽に仕事を終えるために、修正申告書がのどから手が出るほどほしい、という現実があります。
税務調査対策としては、この点を考慮して、修正申告書の提出をチラつかせながらぎりぎりまで交渉したり、修正申告書を提出することを前提としても、「更正処分を行うなら当然に理由は明確になるはずです。理由を教えてください。」といった形でプレッシャーをかけたりすることが効果的でしょう。
ボロ負けが続く国税。その最大要因は不利益処分の理由附記。納税者はそこを逆手に取ればいい?!
2015.04.12 19:00
|
相談LINE
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
「ヒクイドリの部屋」から〝謎の棒〟発見される 黒くて硬くて...これは何?動物園に聞く
Jタウンネット
2
なぜ警備員の高齢化と人手不足は止まらないのか――待遇改善とデジタル活用で変わる「安全を守る仕事」
TREND NEWS CASTER
3
「病気」から「人」を診る医療へ――地域のクリニックに求められる新たな役割
TREND NEWS CASTER
4
「背中を見て学べ」はもう通用しない?世代間ギャップを埋める実践型研修の可能性
TREND NEWS CASTER
5
外国人人材の受け入れを阻む「営業の壁」 登録支援機関を支える新たな分業の形
TREND NEWS CASTER
6
暑~い夏に、リス&カワウソたちに冷たいプレゼント 仙台うみの杜水族館の企画がやさしい【7/31~8/23】
Jタウンネット
7
ペンギンも〝夏の風物詩〟満喫中 あわしまマリンパークの恒例イベントに2.2万興奮「ずっと見てたい」
Jタウンネット
8
医師はいるのに「受診できない」――医療アクセスの盲点とは
TREND NEWS CASTER
9
飲食店を支える「業務用中華点心」 人手不足時代の新たな市場価値を読み解く
TREND NEWS CASTER
10
地域産品は「物語」で価格競争を抜け出せるか、500件超の商談から見えた地方ECの課題
TREND NEWS CASTER