先月末(2015年4月)、日本の安倍首相が米国を訪問し、議会で演説しました。その内容について、甲論乙駁、毀誉褒貶入り乱れて大変なことになっていますが、その演説の中にこんなくだりがあります。
アベノミクスでは、岩盤規制の突破を言っています。それは、規制に守られた産業は一見安寧に見えても、その実は基礎体力が徐々に奪われ衰退するのだ、という考えに依ります。
例えば下図をご覧ください。
これは、総務省の家計消費調査から取ってきたデータで、2人以上の全世帯の米とパンに支出した金額を、年額の推移図にしたものです。
これをみると、米の消費額はリーマンショックのころにパンと逆転しています。2014年はそれが明快になり、2015年に入ってからの3ヶ月ではその差がかなり開いています。
これが、首相演説の前提となる冷厳な事実です。
自民党政権は過去ずっと農業保護の美名のもと、米の保護政策を続けてきました。また民主党政権下では「戸別補償」などといって、さらに強烈な支援策を行いました。その結果、日本の米は国際価格に対して極端に割高になっています。