第三十三回 投資と国策。売りのサイン (2/3ページ)

タブロイド

これは、国連のFAO(国際連合食糧農業機関)が公表しているデータベースから取った、各国の生産者米価推移です。

米国や豪州といった、大量生産型の先進国、パエリア食べてるスペイン、あとタイと中国を比較対象としていますが、これらはどこも結果的に似たような水準になっています。

これは、トン当たりの米ドル建てで示しています。従って為替レートの影響を受けますので、リーマンショック後の円高の影響がみられますが、この水準の差をみたらそんな補正なんかする必要もないでしょう。端的に言って一桁違うわけです。

こんなに日本の農家は優遇されている訳です。

その結果、どうなったか。

日本人は米が高いから買わなくなり、パン食に切り替えたようです。

すると、今後一世代もすれば、米なんか食べるよりまずパンだよねという生活を、物心ついたころから当たり前としてきた人たちばかりの国になります。

米食文化は失われて、もう戻ってこないでしょう。

これが、貿易保護政策を取った国家の末路です。保護したはずの産業を永遠に失ってしまうのです。

皆さんが、今後投資を考える際、国策で保護された産業に長期投資をすることは控えた方が良いかもしれません

短期的な売られ過ぎを評価して、リバウンド狙いの中期投資くらいなら止めません。でも、長期にわたる保護政策は産業を殺してしまいます。

当然その産業に属する企業にも未来はありません。業界団体や主要企業の経営者が「国家は我々の産業を保護すべきだ」と言いだしたら、売りサインです。

先日の首相演説は、20年経ってやっとそのことが腑に落ちたと言っているのです。日本の農業のためには、それが手遅れでなければいいのですが。

首相演説では、引用した部分の前段にこんな下りがあります。

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