【新宿駅痴漢冤罪事件】 警部補の証人尋問で明らかになった「曖昧な逮捕」 (2/3ページ)
また、法廷に証拠提出された防犯ビデオでは、痴漢の現場はわからない。同課のY警部補は当時、署内で原田さんの対応をしていた。3月の証人尋問ではこうしたやりとりがある。
◇◇◇
原告側代理人 原田さんは「指紋が取れないのか?」と要求している。
Y警部補 記憶はある。
原告側代理人 なぜ指紋を採取しなかった?
Y警部補 この時点で被疑者じゃないから、その時はしていない。
原告側代理人 ビデオカメラの確認は?
Y警部補 しています。
原告側代理人 認識できなかった?
Y警部補 そうです。
◇◇◇
残されたICレコーダーがあったために、原田さんが自ら「指紋採取」を口にしたことがわかったが、Y警部補は採取しないと判断した。もし、この時、採取していれば、痴漢をしているか、していないかの有力な証拠になったが、なぜ、しなかったのだろうか。
また、原告側では、署内に原田さんがいる間に、JR新宿駅から防犯カメラのDVDを借りて、見ているのではないかと疑っている。確認したからこそ、服装が違うという理由で、「人違い」と判断し、原田さんを釈放した、とみている。3月の証人尋問のI警部補とのやりとりは以下の通り。
◇◇◇
原告側代理人 いつ確認?
I警部補 日中確認した。駅員の承諾で。
原告側代理人 いつ確認するつもり?
I警部補 即日ですね
原告側代理人 したのか?
I警部補 私はしません。原田さんが亡くなって、刑事課の捜査本部がした。
原告側代理人 いつ?
I警部補 12日。11日は非番だったので。引き継ぎはしてない。
◇◇◇
ちなみに、原告側は新宿署長についても証人申請をしているが、被告側の東京都が激しく抵抗している。ただ、陳述書は提出している。