【新宿駅痴漢冤罪事件】 警部補の証人尋問で明らかになった「曖昧な逮捕」 (3/3ページ)
「今回の裁判で、原田さんの母親は、警視庁本部からの指示を受けた私が原田さんを痴漢行為の被疑者として仕立て上げるための捜査をするために、『特命捜査本部』を設置したと主張していると聞きましたが、そのような事実はありません。...(中略)...防犯カメラの解析結果をはじめ捜査によって収集された証拠に基づく事実関係から、原田さんは迷惑防止条例違反の嫌疑があると認められたため、原田さんを被疑者とする本件被疑事件を送検するに至った...」
痴漢の疑いがあった直後に、新宿署は指紋採取をしなかった。また、防犯カメラでは、原田さんが被害者とされる女性への痴漢行為は確認できなかった。客観的な証拠のないまま、被害者の証言をもとに、原田さんの死後、反論できない中で送検されてしまっているのだ。
Written by 渋井哲也
Photo by DeveionPhotography