インドネシア・低価格スマホ戦争 「100ドル機種」とスマートシティ構想の関係 (3/3ページ)

FUTURUS

インドネシア人がスマホを持つ主な動機は、前述の通り「仲間内でのやり取りのため」だ。従って彼らは、BBMだけでなくFacebookやTwitter、インスタグラム、スナップチャットなど、あらゆるSNSを掛け持ちしているのが普通なのだ。逆に言えば、それさえ満足にできればあとの要素は二の次で構わない。

折しもインドネシアは、去年から4G回線移行へ舵を切っている。現在市場に新投入されている100ドルスマホは、例外なく4G対応機だ。インドネシアの場合、新回線普及の重責を担っているのはローエンド機なのだ。

そしてこの潮流に、一人の男が熱い視線を送っていた。

彼の名はバスキ・タンジュン・プルナマ。ジャカルタ州知事である。


■ 州知事の公約と100ドルスマホ

「俺はジャカルタをスマートシティにしたいんだ。今までの不便で時代遅れなジャカルタとはオサラバだ」

バスキ・タンジュン・プルナマ、通称アホックは恐れを知らぬ物言いの人物である。どの国の議会にも必ず一人はいる「失言王」でもあるが、彼の場合は革新的な都市構想を掲げ市民から絶大な人気を得ている。

アホックのスマートシティ構想は、その呼び名に相応しくスマートフォンの使用を前提にしている。

一つ例を挙げよう。インドネシア市民はバイクタクシーを頻繁に利用するが、今年になって『Go-jek』という企業が業績を上げている。これは平たく言えば「バイクタクシー版Uber」である。スマホのアプリを使ってバイクタクシーを任意の場所に呼び出し、料金もアプリ内へチャージした度数から引き落とすという仕組みだ。

Uberには厳しいコメントをぶつけているアホックだが、Go-jekに関しては非常に好意的である。「近いうちに市内の路線バスと連携させる」と公言しているほどである。

もちろんアホックの公約実現は、4G回線対応の100ドルスマホがあってこそのものだ。

iPhoneに慣れた我々日本人から見れば、インドネシアのローエンド機はやはり低性能が否めない。だが肝心なのは、2億5000万のインドネシア人がスマートフォンという文明の利器を使いこなせるようになった近未来の光景である。そこにあるビジネスチャンスの大きさは計り知れない。

筆者がこの記事を書いている瞬間にも、同国のIT事情は常に移り変わっている。この分野の情勢は日進月歩どころか、秒進日歩と表現してもいいほど進化のスピードが激しい。

そう、インドネシアのスマホ戦争は「電撃戦」なのだ。

【参考】

※ Go-jek

「インドネシア・低価格スマホ戦争 「100ドル機種」とスマートシティ構想の関係」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る