【映画監督vs評論家】園子温、樋口真嗣、紀里谷和明ら監督の怨み炸裂の舞台ウラ (2/2ページ)
「進撃の巨人」でも批判発端に炎上騒動
似たようなケースでは、今回の騒動の発端になった映画『進撃の巨人』でも同じような状況が起こった。
人気コミックを実写化した同作は、公開直後からネット上で酷評の嵐。某映画評論サイトでも「40点」などとバッサリ斬られたが、それを目にした樋口真嗣監督が自身のFacebookに「誰だよ、こいつに試写状送ったバカは!」と書き込んだ。これに「批判を容認できないのは大人げない」などと批判が殺到し、炎上状態になってしまった。
また、特殊造形プロデューサーとして同作に携わった西村喜廣監督は「みんな映画はハリウッドがいいんだね! じゃあハリウッド映画だけ観ればいいよ! 予算と技術はある方がいいもんね! 特に予算! 金で顔叩かれた映画を観ればいいと思います!」などと、自身のTwitterで世間の批判に反論。この発言にも原作ファンを中心に猛バッシングが殺到した。
作り手の不満が爆発したのはこれだけでなく、宇多田ヒカルの元夫としても知られる映画監督の紀里谷和明氏は、8月3日に出演したバラエティー番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で直接反論。2004年の監督作『CASSHERN』を酷評した映画コメンテーターの有村昆氏を前に「制作費6億円で15億円の興行収入を上げたのにコケたことにされてしまった」などと主張した。
日本の映画評論家からはボロクソに言われたというが、同作をきっかけにハリウッドからオファーが届いたといい、紀里谷監督は「日本のワケわかんない評論家には分かってもらえない」などと嫌みを連発。番組の最後でも「『批判をすること』より、『作ること』のほうが100億倍難しい」と話をまとめ、有村を含めた評論家に対する恨みを炸裂させていた。
実際、一本の作品をつくり上げる労力は並大抵のものではない。作り手がいなければ評論は存在すらできないのだから、クリエイターをリスペクトすべきという意見も理解できる。作品を批判されたら、それに怒るのも作り手の自由だ。
しかし、評論家も顔と名前を出して身体を張っているのだから太鼓持ちのような褒め言葉ばかり言えないし、お金を出している観客だって自由に意見を言いたい。その三者の気持ちの落としどころを考えると、なかなか微妙で難しい問題といえそうだ。
(文/佐藤勇馬)