缶コーラ1本飲むと体内はどうなる?2時間以内に起きている変化
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飲み物
夏の暑い日に冷たいコーラを飲むと、炭酸がのどにきゅっとしみて、甘みがほのかに口内に広がるのがわかります。
からだも頭もすっきりして心地よくなるので、糖分が多いといわれても、歯が溶けちゃうと脅かされても、やっぱり飲みたくなっちゃいますよね。
事実、いまもコーラは炭酸飲料の中で絶大な人気を誇っており、コカコーラとペプシコーラだけで、炭酸飲料の生産量全体の99%を占めています。
それはやはり、他の飲み物にはない独特なおいしさがあるからでしょう。とはいえ、長期間にわたって飲み続ければ体に悪いということは周知の事実。
でも、どうしてもコーラや炭酸飲料が止められないという人もいるはずです。
そんな人は必見! コーラの実態を明らかにするべく薬剤師のニラジ・ナイク氏が行っている研究が、『Medical Daily』で紹介されているのです。
■缶コーラ1本を飲んだ後のからだの変化
ナイク氏は、炭酸飲料や砂糖が、高血圧、糖尿病、そして心疾患に大きく影響していることに着目しました。缶コーラ1本には、砂糖が小さじ10杯分も含まれており、それだけで成人の一日の砂糖推奨摂取量に値するのです。そこでナイク氏は、コーラ1本を飲んでから1時間の間に、私たちのからだにどのような変化が起きるのかを調査しました。
■缶コーラ1本を飲んだ“10分後”の変化
糖分の多い炭酸飲料を飲めば、脳、心臓、肺、歯にいたるまで、全身がなんらかの影響を受けます。小さじ10杯分もの砂糖が、全身に影響を及ぼし始めるのです。ふつう、これだけ多くの糖分を一度に口に入れると吐き気を感じるものですが、リン酸を使用することでうまく甘みを抑え、飲みやすい味になっているのだとか。
■缶コーラ1本を飲んだ“20分後”の変化
体内の血糖値が急上昇し、インシュリンが大量に分泌されます。肝臓がそれに反応して、大量の砂糖をすべて脂肪に変えていきます。
■缶コーラ1本を飲んだ“40分後”の変化
カフェインの吸収が完了することで、瞳孔が広がったり、血圧が上昇するなど、からだに変化が出てきます。脳のアデノシン受容体がブロックされることで眠気が吹き飛び、集中力が出てきます。コーヒーを飲みながら仕事をする人が多いのも、このカフェインによる集中力を期待しているからです。
■缶コーラ1本を飲んだ“45分後”の変化
ドーパミンの生成が活発になって、脳の快楽中枢という喜びの感情を担っている部分を刺激します。これはヘロインが脳に及ぼす影響と同じ。いわゆる、ハイな気分になるわけです。
■缶コーラ1本を飲んだ“60分後”の変化
リン酸が腸管下部でカルシウム、マグネシウム、亜鉛と結合し、代謝を促進させます。さらに、大量の砂糖や人工甘味料と結びつくため、カルシウムは体内に吸収されず、尿中に排出されてしまいます。
■缶コーラ1本を飲んだ“120分後”の変化
カフェインの利尿作用が活性化され、尿量が増えて、トイレに行きたくなります。このとき、骨に向かうはずだったカルシウム、マグネシウム、亜鉛は、ナトリウムや電解質、水分とともに排出されます。
またさらに時間がたつと、体内での急な変調が落ち着いてきて、低血糖が起きます。それによって、イライラやだるさを感じたりもします。また、コーラに含まれていた水分も尿によって排出され、栄養として使われるはずだった電解質も、水分と一緒に失われてしまいます。
■こんなにも炭酸飲料がからだに悪い理由
「炭酸飲料がからだに悪いことはわかるけど、これはいい過ぎじゃない?」と思う人もいるかもしれません。しかしそんなことはないのです。
糖分ばかりが悪いといわれますが、実際には、炭酸飲料は糖分と他の原料が混ざり合って健康に害をもたらします。リン酸は無色で無臭ですが、アルコールやケトン、有機化合物と結びつくことで、有毒ガスを発生させるのです。
また2007年の研究によれば、リン酸は歯のエナメル質を侵食するそうです。よくいわれるように歯を溶かすほどの威力はありませんが、表面のエナメル質に影響を与えることはたしか。色の濃い飲料なら歯を汚す恐れもありますから、白いきれいな歯を保ちたい人も、炭酸飲料を控えるべきでしょう。
ナイク氏はこんな風に述べています。炭酸飲料の代わりに、レモンやライムの果汁を入れた水を飲むだけで、劇的に健康状態が改善すると。高血圧や糖尿病患者なら、もちろんいうまでもありません。炭酸飲料ばかりたくさん飲んでしまう人は、自分の体を労わるために、少し生活習慣を考え直した方がいいかもしれません。
(文/スケルトンワークス)
【参考】
※This Is What Happens Inside Of Your Body Within An Hour Of Drinking A Can Of Coke-Medical Daily