水の使用量を84%削減した「パタゴニア・デニム」に見るリアルな危機感 (2/3ページ)

FUTURUS


■ 革新的製法によるデニム革命


1996年よりオーガニックコットンの使用をはじめ2014年からはフェアトレード販売に取り組んできたパタゴニアのデニムであったが、今回の自信に溢れたキャンペーン最大の売りは、革新的な染色工法を活用したというところにある。

ジーンズの象徴でありながら、デニムビジネス最大のタブーでもあった、青の染色をめぐる不都合な真実。染めるために大量の水とエネルギーを使い、ストーンウォッシュや微妙な色のバリエーションを生み出すために、大量の水とエネルギーを使う。

それだけに留まらない。ジーンズはその原料となるコットン生産において化学肥料や殺虫剤、除草剤を用いるなど環境負荷が非常に高い。更には、その労働者たちは工場において労働力を安く買い叩かれ公正な扱いを受けることがなかった。デニムビジネスは、まさに“filthy”な、汚いビジネスなのだ。

しかし、それに対し正面から異を唱え、自らメスを入れたのがパタゴニアだ。新しい染色工程を導入したことにより、CO2排出量は25%、エネルギー使用量は30%それぞれ削減された。そして、驚くべきことに、水の使用量は84%もの削減に至ったのだという。

現在、世界各地で深刻な水不足が報告されている。増え続ける人口、拡大し続ける農業と生産活動、天候不順と加速する環境の変化……。近い将来の世界的規模の地下水枯渇も指摘され、「21世紀の争いは水をめぐる争いだ」とも言われている。

特に、パタゴニアの本拠地でもあるアメリカ西海岸から中西部にかけては、将来の水不足が世界で最も深刻な地域として知られている。彼らの危機感はリアルだ。

最後に、同社のキーパーソンでもある、カナダ北西部のキタマットに住むハイスラ族の元酋長であったジェラルド・エイモス氏の言葉を同社サイトより引用しよう。

<パタゴニアが責任ある企業のモデルだ、などと言うつもりはありません。
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