あなたのキーボードに潜んだ「めんどくさい」を巡る人類の戦い (2/4ページ)
つまり、機械の都合であまりに速い入力をされると困るから、だったと言われているのです!
実のところこの話、すでに1920年代には書籍等に記されているらしい非常に有名な説ではあるのですが、後世の検証で必ずしも事実ではないのではという話も出てきています。
とはいえ、この配列がベストではないという部分は正しく、1930年代にはワシントン大学の教育心理学者オーガスト・ドヴォラック(August Dvorak)が開発したDvorak配列が、「より英文を早く打てる配列」として登場しています。この配列は英文での使用頻度の高い文字をキーボード中段に集中させることで、よく使う語彙の70%は中段だけで入力可能にしています。加えて、入力する手が左右左右とリズミカルに動くよう配置されているため両手の負荷が均等になるという特徴を持っています。事実、当時のキー入力の最速記録はこの配列により作られたそうです。英文入力のキー配列としてこちらのほうが優れていることは明らかでした。
しかし、この配列がスタンダードになる日は訪れませんでした。
その原因としては、すでにタイプライター・トラストというQWERTY配列を推進する団体が形成されていたことや、Dvorak配列の特許権にまつわる問題、そしてなにより、タイプライターを使う人がQWERTYに慣れ親しんでいた(乗り換えめんどくさい!)、といったことが指摘されています。
わかっちゃいるけどめんどくさい!
ちなみにこのDvorak配列、日本語のローマ字入力用にすると極端に左手ばかり使ってしまう場合があるという指摘がなされています。
では日本人にとって最適なキー配列はなんなのか?ということであらためてお手元にキーボードがあるならご覧頂きたいのですが、そこにはQWERTYに当たる位置に「たていすかん」というひらがが書かれています。これがすなわち日本工業規格(JIS)で定められたひらがなで日本語を入力するためのキー配列です。この入力方法を使うと、ひとつのひらがなを入力するために2つのキーを打つ、という状態は解消します。