愛があれば年の差なんて?「年の差婚」の年金と健康保険
少子高齢化で公的年金の財政が厳しいこともあり、年金の受給年齢も段々と引き上げられることになりそうです。それと同時に定年年齢も引き上げられ、70代でも現役という方も少なくありません。
今回は“年の差婚”のご夫婦の年金と健康保険についての注意点を社会保険労務士の筆者がお伝え致します。
■被保険者の資格喪失日はいつ?
原則は『厚生年金』も『健康保険』も会社を退職した日の翌日に被保険者の資格を喪失するのですが、会社にお勤めの場合でも『厚生年金』は70歳の誕生日の前日に、『健康保険』は75歳の誕生日に資格を喪失することになります。『健康保険』の場合、75歳になると『後期高齢者医療制度』の被保険者となります。
■扶養されている主婦はどうなる?<健康保険>
今回は夫より10歳年下というA子さんご夫婦に登場していただきます。
夫は会社員でA子さんはこれまで夫の被扶養者という設定です。
『健康保険』の場合は夫が75歳になり『後期高齢者医療制度』の被保険者となった場合、A子さんは被扶養者ではなくなります。
A子さんは(1)どこかの健康保険に加入する(2)他の親族の被扶養者になる(3)国民健康保険に加入するという選択をしなければなりません。(2)の場合は保険料は必要ありませんが、(1)と(3)は保険料を支払うことが必要となります。
■扶養されている主婦はどうなる?<年金>
『年金』の場合は70歳の誕生日の前日に被保険者の資格を喪失しますので、夫が70歳になると10歳年下のA子さんは60歳。
国民年金は60歳まで加入が必要ですのでA子さんはギリギリセーフ。第3号被保険者のまま、これで保険料を負担することなくホッと一安心‥とはなりません。
実は『厚生年金』の資格喪失は70歳の誕生日の前日ですが、『国民年金の第2号被保険者』の資格喪失は65歳となります。
少しややこしいのですが、『第3号被保険者』とは“第2号被保険者の配偶者であって‥”とありますので、夫が65歳になるとその時点でA子さんは55歳ですが、『第3号被保険者』ではなくなるため、60歳までの5年間は『第1号被保険者』となり保険料を支払わないといけないことになります。
ざっと計算しますと約15,000円×60ヶ月(5年)=90万円となります。
■対策は?
夫と年の差があるご夫婦の場合、妻も仕事をして被扶養者ではなく、自ら健康保険や厚生年金の被保険者になるという方法があります。
来年、平成28年10月1日からは健康保険や厚生年金が適用されるハードルが低くなります。従業員501人以上の企業で
(1)週20時間以上
(2)年収106万円以上
(3)勤務期間1年以上
の条件で勤務すると健康保険や厚生年金が適用されます。
年金は額が増えますし、健康保険は『傷病手当金』なども受け取れるようにもなります。税金や配偶者手当なども加味して考えてみられるとよいでしょう。
いかがでしたか?
普段はあまり“保険料”について意識がない方が多いかと思いますが、被扶養者の場合は夫の年齢によっていつまで被扶養者でいられるかということも重要になってきますね。特に“年の差婚”の方は注意して下さいね。
(中村真里子)
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