百田尚樹の新書よんでみた:ロマン優光連載38 (1/3ページ)
ロマン優光のさよなら、くまさん
連載第38回 百田尚樹の新書よんでみた人生の中で、これほどまでに苦しい読書の時間があっただろうか…。百田尚樹氏の『大放言』は私の人生で読んだ中で1、2を争うぐらい心に響かない本だった。何度となく、途中で投げ出そうかと思った。仕事でなければ絶対に投げ出してる。物理的には何度か床に投げ出してしまってはいる。せめてね、「たかじん騒動」について語ってくれれば、それがどんなに筋の通らない言い訳だろうと、それなりに楽しめるとは思いますけど、それに関しては全然ない。「右でも左でもないただのバカの人」が書いた、興味深いオリジナリティのある視点もなく、文体に面白みがあるわけではなく、ユーモアのセンスに欠け、自己弁護に終止し、現実認識のない、突っ込みを入れて笑いとばすそうにも面白くしようがない、こんな本を読まねばならない義務を与えられるとは、私は前世でどんな悪事をはたらいてしまったのでしょうか。私の前世は、平松伸二先生の漫画『ブラック・エンジェルズ』に出てきた、自分たちの悪事を目撃した一人暮らしのお婆さんをさんざん痛めつけた上に乳房に焼きゴテをあてて自殺に追い込んだ中学生だとでもいうのでしょうか。神様、お許しください。
セコい人間性が溢れたスカスカの文章百田さんの政治的スタンスに関しては特にここで触れる気はないのですが、南京大虐殺や麻生ナチス発言に触れている部分を読んで思うのだけど、右寄りであれ、左寄りであれ、ネット上でこれらの問題を検証しているブログ中に明らかに百田さんの原稿よりも読み応えのあるものが幾つもあるわけで、ネットによく書かれてるようなことが書いてあるというよりも、ネットの孫引きくらいの内容しかないのだなと改めて思いました。また、「マスゴミは反語や皮肉がわからない」などと揶揄し、自分は言葉を大切にしているといった姿勢を見せる一方で、「有田芳生議員が百田さんの人間のクズ発言を糾弾していたのに、自分は某議員のことをかんなクズと揶揄していた。かんなクズとクズとどう違うのか」という内容を書いて得意気にトンチンカン発言 。どう考えても、かんなクズとクズでは悪意の濃度が全然違うでしょう。