イクメンはちっとも新しくなかった!「江戸時代」のオドロキ子育て常識3つ
少し前に話題になった“働くママはパパに何を望んでいるのか”をテーマにしたCM。反響があったのはCM中で育児を“手伝う”と表現した父親に対するものでした。
具体的には「“手伝う”って他人事じゃないんだから」「母親にしか出来ないのは出産と授乳だけ。その他は男でも出来るのに、主体的でない」といったような声が上がったというもの。
確かに現代の育児は“ママ主導”です。父親は幼稚園の送り迎えだけで「良いパパですね」と評価されるのに対して、ママはそれが当たり前。“良いパパ”と“良いママ”という表現には、その意味に厳然とした違いがあります。
しかし江戸時代には、父親主導で、地域ぐるみの子育てが行われていたということをご存じでしょうか?
今回は、四児の母であり子育てアドバイザーである筆者が、現代とは異なる父親主導の江戸期の子育て常識についてご紹介します。
■お手本にしたい!? 「江戸期の驚きの子育て」常識3つ
(1)江戸時代の母親が期待されていたのは、「子育て以外」だった!?
江戸期には女性の教育に用いられた『女大学』という教訓書がありました。その中にある“女としてのつとめ二十項目”のうち、子どもの教育に関わる部分はわずか2カ所のみだったそうです。その他は家事、夫や姑の世話に関する項目が並んでいました。
つまり、江戸時代の女性は“母”としての役割よりも、“妻、嫁”としての役割を期待されていたのです。
(2)父親向けの「育児マニュアル本」もあった!
経世家・林子平『父子訓』には子育ての最終責任者は“父親”であることが記され、また、儒学者・山鹿素行『山鹿語録』には、「遺言しなくて済むことが理想の父親」と記されるなど、当時の父親主導の子育て環境を示す子育て本が存在していました。
ご飯支度や家事にいそしむ母親の傍ら、夕飯前時に子どもと手を繋いでふらふらと散歩する父親の姿は、そこかしこで見られたそう。現代ではちょっと考えられない情景ですね。
そしてこの時代には、そんな父親が子育てに没頭し、孤独にならないシステムも存在していたのです。
(3)地域ぐるみの子育てシステム「仮親」
江戸時代にはさまざまな“仮親”がいました。これは血の繋がった実の両親以外にも“仮親”として繋がり、結果として地域の大人達が子ども達を見守るシステムを形成するという、地域ぐるみの子育てシステムとなっていたようです。
以下が具体的な仮親です。
・へその緒を切る・・・“取り上げ親”
・出産直後に赤ちゃんを抱く・・・“抱き親”
・赤ちゃんを抱っこして外に出た時、最初に会った人がなる・・・“行き合い親”
・母親以外に乳を与える・・・“乳母”
・丈夫な子どものいる家の前に形式的に捨てられた子を拾って預かる・・・“拾い親”
・名前をつける・・・“名付け親”
・幼児になるまで子守りをする・・・“守親”
中でも驚きなのが“行き合い親”。そこにばったり出会わせたら自動的に“仮親”となってしまうのです。道を歩いていたら突然「あなたはこの子の”親”です!」と言われるようなものです。
でも、現代でも近所に生まれた小さくてふわふわの赤ちゃんを抱っこさせてもらったら、その子の成長がなんとなく気になってしまうということはありますよね。“行き合い親”もそれに似たような気持ちで“仮親”となるのかもしれません。
このように、江戸時代の育児は両親だけで行われるものではなく、多くのひとたちがサポートしていたのです。
いかがでしたか?
約260年続いたといわれる江戸時代に比べたら、現代のママ主導の育児スタイルはまだまだ歴史が浅いことが分かりますよね。それと同時に、日本男児は“育メン”の遺伝子を持っていることがこのことからわかりますね。
ママはどんどんパパを頼りにして、江戸期のお父さんのように育児の戦力となってもらってくださいね!