日系紙おむつ企業の飛躍…ASEAN市場制覇への道 (2/3ページ)

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■ バザールでの商品PR
東南アジアの市民は、日頃の買い物を近所の商店で済ませる。スーパーマーケットなどではなく、言ってみれば“お隣の◯◯さんのお店”という感じの零細店舗だ。そうでなければ、どこの町にも必ず一つはあるバザールへ早朝から足を運ぶ。スーパーマーケットというのは、アッパーミドル層以上の豊かな人々のためにある施設だ。
だからこそ、伝統的バザールの情報発信力は絶大である。食品や日用品を生産する企業は、新製品を発売すると同時にバザールへ広報員を派遣する。スーパーマーケットでの商品陳列は、二の次で構わない。どこの国でも実体経済を下支えしているのは庶民、すなわちローワーミドルクラスやワーキングクラスに属する市民である。
ユニ・チャームも、これと同じことをやった。町のあちこちにある零細商店やバザールに営業社員を送り込み、自社製品を置かせてくれるよう頼んだのだ。字面で書けば非常に簡単だが、星の数ほどある零細商店を一件一件訪ねるのは途方もない作業である。
しかも、現地の店舗経営者は数十枚入りのパック商品というものを敬遠する。それよりも1枚ごとの小分けにした方が売れる。東南アジアの市民は、まとめ買いということをあまりしない。その都度、必要な分だけをポケットマネーで買う。それが習慣だ。
ユニ・チャームはその要望に応え、“1枚だけのパック商品”を開発した。これが零細商店やその馴染みの顧客に受け、現地の市場に定着することができた。そうなれば、製品の質で競合できる存在は他にない。今やスーパーマーケットのベビー用品売り場にも、ユニ・チャームの紙おむつが堂々と腰を下ろしている。その様子を眺めていた他の日系企業が、ここ最近になって一斉に動き出した。
■ 市民の声に応じる
ASEAN地域の中でもっとも大きな人口を擁するのは、インドネシアである。