日系紙おむつ企業の飛躍…ASEAN市場制覇への道 (3/3ページ)
同国の巨大な市場を狙って、花王、王子製紙、大王製紙、東レなどが合弁会社設立か、あるいはすでにある現地工場の生産キャパシティー増設に踏み切った。今も伸び続ける需要に、供給が追いついていないほどだという。
インドネシアでは、“子育てはみんなでするもの”という概念がある。筆者も以前、妙齢の女性が赤ちゃんのおむつ替えをしている光景を見て「きみの子ども、可愛いね」と話しかけたら、「何言ってるの。この赤ちゃんは友達の子よ」と返されてしまった。
日本では女性が妊娠しただけで「貞操概念がない」、「仕事をする気がない」などと言われる、いわゆるマタニティハラスメントが問題化している。だが、もしインドネシアで同じことを言えばまず驚愕され、続いて人間関係を絶たれるだろう。“子どもは唯一絶対の神からの授かりもの”である。
だからインドネシア市民は老若男女問わず、日本人の目から見ればかなり子煩悩に映る。しかしそうであるが故に、乳幼児用紙おむつは誰にとっても接する機会のあるものなのだ。
日系紙おむつメーカーは、そんな市民たちの声に応じるという義務を背負っている。企業を強くするものは、実は業績でも年商額でもない。仕事をする過程の中で生じた社会的使命をいかにこなすか、である。企業は常に、末端の市民と共にある。それを忘れてはいけない。