損害賠償を請求する場合、どうして被害者に立証責任があるの?悪魔の証明とは?! (2/2ページ)
XがYの過失により物を壊されたとして不法行為に基づいて損害賠償請求を起こしたとします」(井上義之弁護士)
「仮に、Yに証明責任があるとすると、Yは全く身に覚えのない話であっても、民法709条に該当する事実がないことを証明するという困難を強いられ、事実の不存在について真偽不明の場合敗訴してしまうことになりかねません」(井上義之弁護士)
「そこで、公平性などを考慮し、被害を主張する側が民法709条に規定された事実を主張、立証しなければならないというルールになっています。なお、以上は原則的なルールの説明であり、自賠法等で一定の修正がなされる場合もあります」(井上義之弁護士)
■加害者に立証責任がある場合、言いがかりもまかり通ってしまう!
被害者:「あなたの運転していた車に轢かれました。治療費と慰謝料を払ってください」
加害者:「ん?轢いていませんし、そもそもあなたは誰ですか?」
被害者:「轢いてないというなら、それを証明してください」
加害者:「だからあなたは誰ですか? 何の話をしているんですか?」
被害者:「轢いていないと証明できないなら、轢いたことになります。慰謝料と治療費を払ってください」
話として無茶苦茶であることがわかっていただけると思うが、加害者に立証責任が生じるとなると、このような言いがかりまでまかり通ってしまう。
このように、存在しない事実を証明することを悪魔の証明という。
悪魔の証明は到底不可能なため、民法でも規定されていると井上義之弁護士も触れてくれた。しかし、これは法律にかぎらないだろう。何かについて議論する場合、まずは「ある」と主張する者が、それを先に証明しなければならない。これは議論の最低限のルールでもあるので、是非気をつけていただきたい。
「幽霊がいないことを証明できますか?証明できないなら幽霊はいることになりますね」