ノゲイラ引退から考える「総合格闘技と日本人」 (4/4ページ)
現に今の総合格闘技は「総合格闘技としての技術体系」が確立し、日本人の大好きな異種格闘技戦をやるための余地がなくなった。
2002年と今とでは、総合格闘技の戦術そのものが変化している。互いの選手がある程度の組み技の技術さえ覚えたら、結局は立った状態での打撃戦がメインとなる。容易にタックルに行くとすぐに切られ、膝打ちの雨が降ってくる。だから長らく総合格闘技の世界では「使えない」とされてきたミドルキックが見直され、逆に足への関節技の頻度がかなり少なくなった。
それはすなわち、「柔道家が一番強い」「いいや空手家だ」というような単純な構図の議論が、まるで意味を持たなくなったということだ。
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラは、総合格闘技のターニングポイントにあっても、常に最前線で戦った。此度の引退発表を惜しむ声もあるが、彼は充分に戦い、日本のファンに多大な影響を与えてくれた。
今はただ、彼の背中に拍手を贈ろう。
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