すぐ答えを欲しがる、自分は有能だと思い込む… 精神科医が指摘する現代の若者の気質 (1/2ページ)

新刊JP

すぐ答えを欲しがる、自分は有能だと思い込む… 精神科医が指摘する現代の若者の気質
すぐ答えを欲しがる、自分は有能だと思い込む… 精神科医が指摘する現代の若者の気質

 清潔感があるイケメンで、性格は真面目。大学の授業は全出席した24歳の青年。大学卒業をするも「特に就きたい職業はない」ということから大学院に進学することにした。家庭に経済的負担はかけたくないと、奨学金をもらい、1日3時間、週5日、夜の時間帯にホテルの受付のアルバイトをしている。バイト先の決め手は「コスパ」(コストパフォーマンス)の良さだ。
 楽しみはネットカフェで面白いブログを見つけること、飲み会はそれなりに付き合うが、「それほど楽しくはない」と言う。また、女性との付き合いについて著者が尋ねると、それなりにあるが、ワクワクするようなことはないと言う。「ワクワクするのは疲れます。居心地の良い付き合いが、僕には向いています」。

 『子どものまま中年化する若者たち』(幻冬舎/刊)は、臨床心理士であり精神科医として、30年以上「若者世代」を見続けてきた鍋田恭孝氏が、若者がどのように変わってきたのかを説明しながら、現代の若者像を示した一冊だ。

 冒頭の青年は、本書の中に現代の若者の一例として登場する。
 「ワクワクすることがない」「居心地の良い付き合いが好き」「飲み会は好きじゃない」「コスパ優先」…なんとも“現代の若者っぽい”文言が並ぶ。その上の世代からすれば、少し違和感を覚えるような価値観の中で彼らは生きている。
 では、今の若者はどんな傾向を持っているのか? 本書から3つ、紹介しよう。

■自分は有能で評価に値する人間だと思い込んでいる
 これはいわば根拠なき万能感ゆえの、傷つきやすい自己愛である。
 学校は今や「サービス業」的な進化を遂げ、生徒や保護者を「お客様」として扱っている。至れり尽くせりで育てられた若者たちは、大人が準備したものをクリアして褒められ、根拠なき万能感を持ったまま社会人になる。ところがお客様からサービスをする側にまわった途端、その幻想は崩れてしまう。そこで引き起こされるのが、被害者意識である。社会や上司たちが、自分に意地悪をしていると思ってしまうと著者は指摘する。

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