【豆知識】手軽な「粉末緑茶」、実はホンモノの「抹茶」とは全くの別物だった!

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海外で人気のある日本の食文化の一つに抹茶があります。しかし、実際に抹茶に親しんでいる日本人は意外と多くないのではないでしょうか。「えっ、粉末の日本茶ってことならよく飲んでるけど?」と思う方もいるはず。しかし、抹茶と呼べるものは他のお茶とは全く異なるのです。ここではそんな抹茶についてご紹介しましょう。

■抹茶と粉末緑茶は別モノ!
抹茶も粉末緑茶も、どちらもお茶を粉状にしたものです。では、どこが違うのでしょうか? それは、原料となる茶葉の状態が異なるのです。粉末緑茶はよく飲まれている煎茶を粉状にしたもので、抹茶は碾茶(てんちゃ)というお茶を粉状にしたものなのです。

抹茶と煎茶は近い存在ですが、抹茶は抹茶道(日本では一般的に茶道と呼びますね)、煎茶は急須を使った煎茶道にのっとって楽しまれています。どちらが良い悪いというわけでなく、どちらも楽しく、身体にも良くて文化的にもなじみ深いものになっています。

■製造工程が異なります
煎茶は、つんだ茶葉を蒸して、熱を加えながら揉むことであの香りと味のバランスになります。つむ時期によって一番茶、二番茶、三番茶という呼ばれ方をします。
一方、抹茶の元となる碾茶(てんちゃ)は、新芽に覆いをかぶせて苦味を少なくし、茶葉を蒸した後に揉まずに乾燥させます。茎や葉脈を取り除いて、茶臼で挽くと、やっと抹茶になります。

栄養成分で言うと、日差しを浴びて育った煎茶の方が苦味、つまり緑茶カテキンが多くなります。身体に良いお茶というわけですね。一方、抹茶は苦味よりもうまみ成分が多くなっているためおいしいはずです。煎茶とは異なる成分がたくさん含まれており、それはそれで身体への健康効果が注目されています。

■薄茶と濃茶
抹茶と言えば茶道、茶道と言えば薄茶と濃茶というものを聞いたことがあるのではないでしょうか。薄茶は茶筅(ちゃせん)で泡立てるようにしてたてたもので、あまり気張らずに気軽に楽しめる茶道となっています。慣れないと、薄茶でもかなり「苦い」と感じることがあります。それくらい、たてる人によって味が変わるという奥深いものです。
一方、濃茶は同じ抹茶の粉末を4倍くらいの濃度でお湯と合わせ、たてるというよりは練るものです。ドロッとしていて、なかなか一般人はお目にかからないかもしれません。

抹茶は日本の特産品とも呼べるものです。あまり親しみのなかった方も、この機会に薄茶をはじめとする抹茶文化に触れてみると面白いかもしれませんよ。

(ファナティック)

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