絶頂期からバブル崩壊へ…過去の経済に見る4つの知恵

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絶頂期からバブル崩壊へ…過去の経済に見る4つの知恵

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その昔、日本にも“バブル”という経済の絶頂期がありました。

Woman Moneyの過去記事『30年に1度の「バブル」到来!? 過去の経済に見る3つ知恵』では、プラザ合意から土地神話によるバブルの絶頂までをお伝えしました。

今回は、ブラックマンデーからバブルの崩壊までの出来事から学ぶ知恵についてお伝えします。

■1:ドルが大きく動くと、翌日にはアジアの各市場にも連鎖する

不動産バブルによって、多くの人がお金持ちになり、好景気になりました。通常、好景気になると、金利は引き上げられます。ところが、金利を引き上げようと考えていた矢先、アメリカの株価(ダウ平均)が、いきなり508ドルも下がってしまいます。これは1987年10月19日(月)に起こりました。月曜日に起こったことなので“ブラックマンデー”と呼ばれます。このブラックマンデーの下落率は22.6%で、翌日にはアジアの各市場にも連鎖し、日経平均株価は3,836.48円安の21,910.08円になりました。

このタイミングで日本が金利を引き上げてしまったら、高くなった日本円の金利を狙ってアメリカから資金が流れ込み、アメリカの株式市場がさらに下がってしまうかもしれないので、日本は金利の引き上げを見送ることにしました。

■2:いきなり政策をキツくすると、反動が予想以上に大きくなる

しばらくの間、金利の引き上げを見送っていましたが、1989年5月、ついに日本は金利の引き上げを行います。ずっと2.5%だったのが、3.25%になりました。そして段階的に金利の引き上げを行い続け、1990年8月には6%になってしまいます。かなり急激な引き上げと言えますね。

さらに1990年3月には、大蔵省(現在でいう金融庁+財務省)によって“不動産融資の総量規制”が行われます。つまり、各金融機関などに「不動産向けの融資を減らしなさい」というお達しが出た、ということです。これにより、不動産向けの融資が一気に減ってしまうのです。

■3:政策の反動には、タイムラグが生じることがある

各金融機関が土地を買いたい人にお金を貸さなくなり「お金を借りられないなら土地はいらない」と土地への需要が下がってしまいます。これをキッカケに(地域により異なりますが)1年~数年のタイムラグの後、土地価格の大暴落が起こりはじめます。つまり、バブルが崩壊しはじめる、ということです。

■4:金融機関の判断は必ずしも正しいとは限らない

苦しんだのは国民だけではありませんでした。それまで土地を担保にたくさんお金を貸していた金融機関はお金を返してもらえなくなります。これを“不良債権”といいます。不良債権が出れば普通は、早めに担保となっている土地を取り上げるのですが、土地神話が根付いていたためか、その不良債権を放置する金融機関がありました。

そして、不良債権が積もり積もった結果、1997年11月に三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券、德陽シティ銀行が破綻します。

今回は、ブラックマンデーからバブルの崩壊までの出来事から学ぶ知恵についてお届けしましたが、いかがでしたでしょうか? 

景気というのは、私たちの気持ち次第で動くものです。今後起こることは、もしかすると過去に既に起こっていることかもしれません。その時の人々は何を考え、どう動き、その結果どうなったのかをしっかり考えることで、先を読めるようになるかもしれません。

例えば、2020年東京オリンピックに関連する投資を検討しているのであれば、1964年の東京オリンピックなどについて調べてみるといいかもしれませんね。

(鍛治田祐子)

【協力】

※ 酒井FP綜合事務所 柳川 郁弥・・・「たのしい!おもしろい!わかりやすい!」がモットーのファイナンシャルプランナー。人生に役立つ「お金の情報」を伝える講師としても活動中。

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