五郎丸選手に学ぶ「アスリートとルーティン」見直される勝利のポーズ、ビジネスにも活きる? (2/4ページ)

FUTURUS

本人曰く、四股が一番緊張が取れる動作なのだそうだ。すなわちこれが、彼にとってのルーティンなのだ。

相撲といえば、取り組みの際の力士の所作も一種のルーティンである。

高見盛は現役時代、“ロボコップ”と呼ばれた奇異な動作で人気者になった。両拳を土俵に突き刺すように激しく動かす、あの所作だ。だがあれは決してパフォーマンスではないことを、本人が語っている。ああすることで緊張を取り除き、同時に気合を入れているというのだ。

相撲の話をもうひとつすると、取り組み前に塩を撒くのも、やはりルーティンとして見ることができる。もちろんあの所作自体は長年培われてきた伝統作法だが、問題は撒く量だ。

水戸泉のように大量の塩を豪快に土俵上へ広げる力士もいれば、寺尾のように申し訳程度の量を軽く投げる力士もいる。大事な一番になるとたくさんの塩を撒く力士だっている。

そう考えると、大相撲は“ルーティンの宝庫”なのだ。

 

■ ノムさんが変えた投手心理戦

だが競技の中には、ルーティンが命取りになってしまうものも存在する。それは野球である。

「何だって? イチローのあの動きはルーティンじゃないのか?」

そう、打者に限って言えば選手それぞれいろんなルーティンを見ることができる。だがこれが、投手だったら?

例えば、140キロ台のストレートとカーブとスライダーを武器にしている投手がいるとする。3つの球種の中で、彼が最も得意にしているのはスライダーだ。ここぞという時の決め球として、スライダーを投げる確率が高い。

しかし同時に、彼が“スライダーを投げる前のルーティン”を行っていたとしたら? そういう投手は話にならないだろう。それがたとえ些細な仕草でも、相手チームに次の球種を読まれてしまう。

こうしたことを日本のプロ野球で最初に目をつけたのは、“ノムさん”こと野村克也氏である。

野村氏は現役時代、メジャーリーグの伝説の打者テッド・ウィリアムスが書いた『バッティングの科学』という本に出会った。それによると、投手はこれから投げる球種ごとに別々の動作を見せるという。

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