恋愛に生きるフランス人が昔から読んでいる「愛のある人生」を謳歌するための小説3つ (2/2ページ)
クレーヴ公にみそめられたシャルトル姫は気の進まない結婚を承諾するものの、のちに舞踏会で知り合ったヌムール公に恋心を抱き始めます。「夫に尽くさなければいけない」という想いと、ヌムール公への抑えきれない恋の葛藤を描いた作品です。
シャルトル姫の繊細な心の描写だけでなく、当時の宮廷での出来事も忠実に描かれているため、華やかな貴族社会の様子も知ることができます。『クレーヴの奥方』が発表された当時は、話題の恋愛心理小説として脚光を浴びたそう。
原作はラファイエット夫人の『La Princesse de Clèves』。宮廷小説と女流作家ということで、平安時代の名作『源氏物語』を描いた紫式部に通じるものがあるような気もします。
幼なじみの男女の「恋の駆け引き」に・・・

フランス人は、いつの時代も恋愛ゲームがお好きな様子。最後にご紹介する『戯れに恋はすまじ』も、貴族出身の男女のラブゲームを描いた19世紀半ばの作品です。
幼なじみのペルディカンとカミーユはお互いに好意を抱くも、保守的なカミーユは恋愛に懐疑的。カミーユの心を仕留めるべく、農家出身の美女ロゼットをだしにして、ペルディカンは彼女の嫉妬心を煽る作戦を打ち出します。
原作はアルフレッド・ド・ミュッセ『On ne badine pas avec l’amour』の戯曲で、風刺が効いた恋愛作品として話題になったそうです。
恋に悶え、苦しみ、ハッピーエンドとは限らないのに、恋に全力投球する主人公たち。 恋に生きるフランス人の恋愛観を、小説から読み取ってみてはいかがでしょう?
【参考】
危険な関係/コデルロス・ド・ラクロ・著、竹村猛・訳、角川文庫・刊
クレーヴの奥方/ラファイエット夫人・著、生島遼一・訳、岩波文庫・刊
戯れに恋はすまじ/アルフレッド・ド・ミュッセ・著、進藤 誠一・訳、岩波文庫・刊