吉田豪インタビュー企画:長州力「業界に入るまで、プロレスを全然観ていなかった」(1) (2/3ページ)
「長州力はインタビュー嫌い」という伝説について
──そもそも長州さんはインタビュー嫌いっていう伝説があるじゃないですか。
長州 うーん……そうでもないんですけどね。ただ、取材だとみんな同じことをしゃべってきて、よく言うんだけど「おまえに俺の何がわかるんだよ」と。最終的にそれ言っちゃうからね。今回、取材するのが先生だからいろいろ先生も集英社の方たちも気を遣ってくれて、よくしゃべるような状況に設定してもらって。
──それがお酒を飲みながらの取材だったんですね。
長州 そう!
──やりやすい状況を作ってくれて。シラフでプロレスの話をじっくり聞かれるのが一番嫌なんですか?
長州 嫌ではないんですけどね、何かもう……それはたぶん、『週プロ』とか『ゴング』とか『東スポ』を調べたらそんなものはいくらでも出てるよっていう。
──「それだったら前に何度も話してるよ」っていうことですよね。
長州 そう、それもありますね。
──ボクは前に長州さんを取材しようとしたんですけど、「長州さんはプロレスの話をしたがらないから難しい」ってことで企画が流れたことがあって、その長州さんにこれだけプロレスについて語らせたことのがすごいと思いました。田崎さんが業界外の人だったっていうのは大きいんですか?
長州 ……業界外とは?
──プロレス業界の人じゃなかったっていうことです。
長州 ああ、そんなこともないですけどね。そんなこともないですけど……まあ、なんかもう雑談するような感じから入っていったから。結構時間もかかったし、「えっ?」と思うぐらいに。どこまでいくのかなと思ってましたよね。
──いつまでやってんだコラ、と。
長州 ハハハハハ!
──長州さん、雑談するのは好きなんですよね?
長州 ああ……どうかな、好きなのかな。
──『KAMINOGE』とかのインタビュー読んでると、そうなのかなと思いますけどね。「雑談なら付き合うけど、プロレスの話をしたら俺は席を立つぞ」って感じで。
長州 どっかで話を逸らそう逸らそうとしてる自分がいますよね。なんかちょっとかみ合わなかったら、なんか「あ、もういいな」って思っちゃうところはありますよ。
──プロレス以外の話というと、前に映画評論家の町山智浩さんとイベントで絡んだことがあるじゃないですか。
長州 …………ああ! ありますね、うん。
──長州さんがドキュメント番組とかノンフィクションを観るのが好きだっていうことで。
長州 ああ、DVDをいただいたですね。ドキュメントの40枚ぐらいセットで、あれはうれしかったですねえ! 1週間ぐらいで観ましたよ。おもしろかった!
──そういう好奇心は相当ある人じゃないですか。
長州 そうなのかな。あれはおもしろかったですけど。
──いろんな人と話してみたいっていう好奇心もあるわけですか?
長州 いや、そういう願望はあんまりないですね。そんなにみんなが思ってるほど忙しくもないし、やりたくもない仕事をやって。
──ダハハハハ! いまは、やりたくもない仕事やってるんですか(笑)。
長州 あとはもう昔と変わらないワンパターンの私生活ですから、自分から進んで何かやってるっていうのはないですね、僕は。……まあ、道場に通ってるぐらいのもんで。だから特別に変化があるわけでもないし。