トイレの時間はみんな一緒!? 全ほ乳類に共通する、おしっこの「21秒ルール」とは

生きていれば日に数度はもよおすのが「おしっこ」。子どもの下ネタ? と思われて当然のこのテーマを、大まじめに研究したひとがいるのはご存じでしょうか?
ジョージア工科大学の研究チームは、ほ乳類のおしっこに要する時間は、からだの大きさに関係なく「21秒」であるという論文を発表し、今年のイグ・ノーベル賞を受賞しました。ギリギリまでガマンしても21秒? と、つっこみたくなるのが人情ですが、限界を超えると膀胱(ぼうこう)を収縮する筋肉が伸びきって排尿できなくなってしまうので、試すなら「そこそこ」にしておくのが良さそうです。
■量が増えれば勢いも増す
ジョージア工科大学の研究チームの実験によると、動物が膀胱をからにするのに必要な時間は「21秒」であることがわかりました。これはほとんどのほ乳類に当てはまり、からだの大きさに関係なく「同じ時間」という点が重要で、象も犬も違いはないというから驚きです。
からだの大きさが違っても、なぜ同じ時間で済ませることができるのでしょうか? たとえば象の膀胱はおよそ8リットルと巨大ですが、細長く重力の影響を受けやすいため、おしっこが「加速」する構造になっています。逆に、からだの小さい動物は尿の量は減りますが、膀胱も小さいので勢いが悪い。その結果、どんなほ乳類でも「21秒」という結果になったのです。
ただしこの研究結果は、からだが極端に小さい動物には当てはまらず、滴(したた)るように排尿する、とされています。これは、からだが大きいと勢いが増すことの証明でもあり、小動物は勢いがなさ過ぎるため「しずく」になってしまうのです。
■我慢し過ぎると排尿困難に
ヒトの場合はどうでしょうか? 標準体型の成人の膀胱は500ミリリットルが目安と言われているので、流量を一定として21秒ルールに当てはめると毎秒23.8ミリリットル、尿道の直径を6ミリとすると秒速83.2センチメートル、時速3km弱であることがわかります。最初は勢いが良く、時間に比例して衰え、21秒後にストップと考えた場合は、初速は2倍の約6km/時、股(また)下が75cmならおよそ70cm先まで飛ぶ計算となります。
ギリギリまでガマンすると、どうなるのでしょうか? 膀胱がふくれて勢いが増すのは「ある程度」までで、限界を超えるとかえって出が悪くなり、重い病気になってしまうこともあるのです。
膀胱は単なる「袋」で、これ自体に縮む力はありません。そのため膀胱壁平滑筋(ぼうこうへきへいかつきん)と呼ばれる筋肉で絞り出しているのです。膀胱が「ある程度」大きくなっても対応できますが、限界を超えると筋肉が伸びきって収縮できなくなってしまい、排尿困難になってしまうのです。
医学的な文献によると、膀胱のおよその大きさと、からだに起きる不調は、
・800ミリリットル … 排尿困難
・1,600ミリリットル … 発熱
・2,400ミリリットル … 失禁
とのデータもあるので、限界までチャレンジしてもデメリットしかありません。
いったいだれ得な研究かわかりませんが、トイレに要する時間や飛距離を、健康のバロメータとして使ってみてはいかがでしょうか。
■まとめ
・ほとんどのほ乳類は、おしっこに要する時間が21秒と判明
・からだが大きければ勢いが増し、小さければ弱まるので、所要時間が同じ
・ガマンし過ぎると排尿できなくなるのでご注意を
(関口 寿/ガリレオワークス)