ホームページの方がチラシ配りより「高確率で商品が売れる」理由
『ホームページで売上があがる会社、あがらない会社、何が違うか』(石嶋洋平著、あさ出版)は、ウェブコンサルティング会社を経営する“ホームページ屋”として、「売れないホームページ」をたくさん見てきたという著者が、ホームページで売上を上げるための策を公開した書籍。
ホームページについて知りたいことはいろいろありますが、きょうはそのなかから、「効果」についての記述を引き出してみたいと思います。
■チラシの効果はたった10人?
集客したいとき、だれもが思いつく方法のひとつに「チラシを撒く」という手段があります。ところがチラシは、それほど効果のあるものではないのだとか。
著者によれば、群馬県の建設会社が住宅展示会のチラシを10万枚配布したところ、それを見て展示会に来たお客様はたった10人だったというのです。新聞折り込みを利用し、さらに市役所でも蒔いたというのに……。
■チラシ反応率はおよそ0.01%
「展示会に足を運んでもらう」など、お客様に直接的なアクションを促す「ダイレクトレスポンスマーケティング」では、ある程度のレスポンス(反応)限界値があるといわれているそうです。
それは、「チラシを撒いたら、反応率はおよそ0.01%」だというもの。「10万枚蒔いて10人のお客様が来てくれた」のは、確率として妥当なところだというわけです。
■ホームページの反応率は1%!
一方、ホームページに対する反応率は1%。つまり効率よくマーケティングしたいなら、チラシよりもホームページの方が向いているわけです。
理由ははっきりしています。つまりインターネットを使えば、「買ってくれそうな人」の属性を絞り込みやすいからです。
たとえば携帯音楽プレーヤーを売りたい場合を例に挙げましょう。シンプルに考えれば、音楽が好きな人に対して情報を投げれば、売れる確率は高くなるはずです。
しかし先述したとおり、それをチラシでやろうとすると、手間だけかかって効果は期待薄。でもインターネットなら、音楽好きの人が集まるサイトに広告を出すことは容易です。
チラシでは「どんな属性かわからない100人に情報を投げ、ひとりに当たるかどうか」ということになりますが、ホームページなら「音楽が好きで携帯音楽プレーヤーに興味を持ってくれそうな10人に情報を投げ、何人に当たるか」という現実的な話にすることができるから。
確率が高い属性を絞り込んで分母を下げていけば、それだけマーケティングの効率が上がるということです。
「どのような属性を持った人たちにアプローチしたら、商品が高確率で売れるか」を考えることは、いうまでもなく商売の基本。
そしてホームページで商品やサービスを売る場合、特に重要なポイントはここなのだと著者はいいます。
*
こうした基本を踏まえたうえで、本書ではホームページを利用して「誰に売るか」「なにを売るか」「どう売るか」が解説されています。
ホームページをつくって活用したい、つくったものの活用できていない……中小企業経営者から個人事業主まで、そんな悩みを抱いている方は少なくないはず。
でも本書を読めば、答えを見出すことができるかもしれません。
(文/書評家・印南敦史)
※なお本書では、企業や団体が管理するウェブサイト、ウェブページの総称として「ホームページ」という単語を使用しているそうです。
【参考】
※石嶋洋平(2015)『ホームページで売上があがる会社、あがらない会社、何が違うか』あさ出版