南シナ海を巡る覇権争い...中国にプレッシャーをかける日本とベトナムの内情 (2/4ページ)
これをきっかけに、ベトナム国内では、大規模な反中デモが起こり、多くの中国系企業が襲撃にあったことは記憶に新しい(※1)。このような南シナ海を中心とする不安定な国際情勢が経済に与える影響は強く、ベトナム政府を悩ます一因となっている。南シナ海における情勢を懸念しているのは、アメリカも同様だ。
今年の9月、米国の保険会社格付大手A.M.ベスト(A.M.Best)は、ベトナムの経済リスク格付けを「CRT-4(カントリーリスクレベル4)」として、「経済リスクの高い国」に分類した。調査対象国となっている東南アジア諸国で「CRT-4」に格付けされたのは、フィリピン、インドネシア、ベトナムの3ヶ国。 ベトナムを「経済リスクの高い国」とした理由の一つとして、「南シナ海における領有権をめぐる中国との対立」をあげているのは注目に値するだろう。
かつての敵同士がパートナーに変わった」と同共産党総書記自身は感慨深いコメントをだし、その後「敵からパートナーに」という見出しで大々的に報道された。会談では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や海洋安全保障について話し合われた。ベトナム側からすれば、同共産党総書記の訪米の狙いは、南シナ海をめぐる中国についての話し合いであり、海軍力の強化をはじめ、軍事的な支援の要請であった。
また、翌9月には、かねてより結びつきの深いロシア側へ発注していたキロ型潜水艦の進水式がロシアのサンクトペテルブルグにて行われている。これは、2009年にロシアに訪問したグエン・タン・ズン首相が潜水艦6隻の購入契約を交わしたことによるもので、単に潜水艦を提供するだけではなく、ロシア側がベトナム人乗組員の訓練をするという内容も含んでいる。このようなことから、数年前からハード面だけではなく、ソフト面に関しても、ベトナムがいかに防衛力に力を入れているかがうかがえる。(※2)
大国アメリカ、ロシアときたら、次は日本だ。日本中が安保関連法案で揺れ動く9月上旬、同共産党書記長は日本を訪れ、安倍首相と会談(※3)。各紙では、あまり大きく報道されなかったものの、二国間の経済連携や、安全保障・防衛分野の協力について話し合われた。