南シナ海を巡る覇権争い...中国にプレッシャーをかける日本とベトナムの内情 (3/4ページ)
具体的な内容としては、オバマ大統領との会談と同じく環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結に向けての連携、また、日本側がホーチミン市の総合病院建設で286億円の有償資金協力をすること、日本側がベトナムに中古船舶を無償供与するとともに、海上保安庁がベトナムの海上警察の人材育成に協力することなどであった。同会談でも、南シナ海における中国に対する「深刻な懸念」についても共有したとされている。さて、気になるのは、明らかにされていないその「深刻な懸念」の具体的な内容だ。
●ホルムズ海峡よりむしろ南シナ海一昨年9月、オバマ大統領が「アメリカはもはや世界の警察官ではない」と宣言。その後、中東の駐米軍を大幅に撤退させるなど、これまでの動きを変えているのは顕著だ。また、それに呼応するかのように、世界の流れや各国政府の対応も変わってきている。
南シナ海は日に日に緊張度を増し、ベトナムであれば、これまで見てきたように、着々とアメリカやロシア、日本など各国に援助を要請し、防衛力を高めようとしていることがうかがえる。また、今年の6月、フィリピンのアキノ大統領が来日。安倍首相との会談では、やはり南シナ海における「深刻な懸念」を共有するとともに、防衛装備品の供与についても協議している。さらに同月、海上自衛隊とフィリピン海軍が「災害救援を想定した共同訓練」を南シナ海で実施している。南シナ海の島々を領有する近隣諸国の動きを追うと、南シナ海をめぐる危機的状況、それを抑えるためにいかに各国が努力を積み重ねているかがわかるだろう。
今回、安保関連法案成立が懸念されることの一つに、中東有事での軍事支援が可能になるということが挙げられてきた。まるで耳にたこができるほど言われてきた、例の「ホルムズ海峡での機雷撤去」である。だが現実的に考えてみるに、より懸念すべき地域は、ホルムズ海峡よりもむしろ近場の南シナ海なのではないだろうか。法案成立直前に来日したベトナムのグエン・フー・チョン共産党総書記の動きを見ても、察することができるだろう。それをあえて政治家たちがあまり口に出さなかったことに、真実があると思われてならないのだが。
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(※1)中国企業だけではなく、多くの日本、韓国、台湾企業もその襲撃を受けた。