年間5万人の患者を生む「乳がん」を防ぐ効果が高い9つの食材
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北斗晶さんが乳がんになったことを告白したのは、まだ記憶に新しいですよね。ショックを受けた人も多かったのではないでしょうか。
日本では年間約5万3,000人が乳がんと診断されています。
一方、英国では年間5万人。乳がんで亡くなる人の数は日本も英国も同じで、約1万2,000人。ただ英国の人口は日本の約半分ですから、日本とくらべて乳がんの診断を受ける人や、乳がんで命を落とす人の割合が非常に高いことがわかります。
英国の女性向けヘルシー志向ウェブサイト『Healthsia』では、乳がんの予防効果が科学的に証明されている9つの食材を紹介しています。
■1:アブラナ科の野菜
アブラナ科の野菜には、グルコシノレートという科学物質が豊富に含まれています。
動物実験では、グルコシノレートには、DNAの損傷を防ぎ、アポトーシスと呼ばれるがん細胞が自然消滅するように導く作用があることがわかっています。アブラナ科の野菜は、カリフラワー、にんにく、玉ねぎ、キャベツなど。
■2:色の濃い葉野菜
複数の研究で、ほうれん草やケールなど、色の濃い葉野菜に含まれるルテインやゼアキサンチンが、乳がんのリスクを低減させる可能性が指摘されています。
また、ハーバード公衆衛生大学院が行ったメタ分析によると、カロテノイドやビタミンAやC、Eを含む野菜や果物を摂取すると、閉経前の乳がんのリスクを下げる可能性があるそうです。カロテノイドは、人参やほうれん草、かぼちゃやトマトに多く含まれています。
■3:豆類
豆類の摂取も、乳がんのリスク低減に関係があるといわれています。豆類は植物性タンパク質が豊富で、肉の摂取を減らしている場合には非常に大切な栄養素となります。豆類には他に、カルシウムや鉄分、ビタミンBなどが含まれます。
■4:トマト
トマトにはリコピンという抗酸化物質が非常に多く含まれるため、乳がん予防に最適。リコピンを多く含む食べものは他に、すいかやパパイヤ、ピンクグレープフルーツなどがあります。
■5:野菜や果物
概して野菜や果物には、CやE、葉酸などのビタミン類や抗酸化物質が豊富に含まれており、乳がん予防に効果的。また、野菜や果物には食物繊維も含まれています。18~69歳の日本人女性の場合、1日に必要な食物繊維の量は18グラムです(厚生労働省)。
■6:脂肪分の多い魚
中国の浙江大学などの研究者たちは、乳がんに対するオメガ3多価不飽和脂肪酸の効果を分析しました。
結果、鮭やマグロ、ニシンのように脂肪分の多い魚由来のオメガ3多価不飽和脂肪酸を多く摂取した女性は、植物由来のオメガ3多価不飽和脂肪酸やオメガ3多価不飽和脂肪酸を含まない魚を多く摂った女性とくらべ、乳がんに対するリスクが14パーセント低かったことがわかりました。
■7:オリーブオイル
ファイトニュートリエントと呼ばれる植物性栄養素が豊富なオリーブオイルは、抗酸化作用が高いことで知られています。
スペインのナバラ大学が、地中海料理を食べている女性を調査したところ、食事にエキストラバージン・オリーブオイルを追加でかける女性は、あまりかけない、またはまったくかけない女性とくらべて、5年間の乳がん発症のリスクが62%低いことがわかりました。
■8:亜麻仁
アマという植物の種「亜麻仁」には、ポリフェノールの一種であるリグナンが豊富です。閉経前の女性を対象に2009年に行われた研究では、リグナンを含む食事を多く摂取している女性は、乳がんのリスクが低いことがわかりました。
■9:大豆製品
アメリカ国立がん研究所が行った調査で、大豆製品を多く摂った女性は、そうでない女性とくらべ、胸の組織の密集度が低いことがわかりました。胸の組織の密集度が高いと、乳がんになるリスクが高いとされています。
また、女性ホルモンのエストロゲンが多いと乳がんのリスクを高めますが、大豆に含まれるイソフラボンがエストロゲンと似ているためにエストロゲン自体の作用を減少させます。
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魚や大豆など、日本人の食生活に馴染みの深い食品が並んでいるので、日本での乳がんの発症率が英国よりも低い理由が分かるような気がしますね。定期的ながん検診を受けつつ、このような食事をバランスよく積極的に摂って、乳がんと戦える体づくりをしましょう。
(文/松丸さとみ)
【参考】