見られたくないと思っても非公開にはできない裁判。裁判の公開の目的とは? (2/2ページ)
また、性犯罪事件等において、裁判自体は公開であることに変わりありませんが、被害者特定事項(氏名・住所等)を秘匿することが認められています(傍聴はできるので、あくまで裁判は公開です)」(星野宏明弁護士)
日本において、司法の独立に大きな影響を与えたのは大津事件だろう。大津事件とは、1891年に津田という人物が、滋賀県大津でロシア皇太子を襲い、怪我を負わせた事件である。これを機にロシアから武力報復を受けかねない緊迫した状況に追い込まれた日本政府は、津田を死刑にするように司法に政治的圧力をかけた。しかし司法はそれをはねつけたのである。
■非公開となっては監視がなされずに不正が行われる可能性がある
日本は大津事件によって司法の独立が維持されたとされている。そしてそれは三権分立の意識を高めめることにも寄与されたのは言うまでもないだろう。
確かに家族の裁判は誰にも見られたくないかも知れない。しかし、裁判の公開がこれほど重要な意味合いを持っていたこと。また非公開を認めてしまうと、監視する者が不在のため、不当な刑罰が科されたり、政治犯への不正な処罰がなされる可能性があることを覚えておいていただきたい。