【商倫理と日本・後編】和を以て貴しとなす (2/3ページ)

FUTURUS

日本では「和を以って貴しとなす」勢力とそれに反抗する勢力が鍔迫り合いを繰り返し、それがむしろ業界発展を促しているという側面がある、ということを書きたいのだ。

批判者がいるからこそ、人は改善の努力をする。商人同士のイデオロギー抗争は、決して悪いことではない。

■ 税金を払わない大企業

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ところで話は大きく変わるが、筆者は相模原育ちである。

相模原は重工業の企業に恵まれた土地で、筆者の住まいのすぐ近くには日金工の製造拠点があった。今はもうないが、かつては市の財政に大きく貢献し、様々な施設の建設資金を気前よく出していた。

「大企業が地元の発展のために投資する」というのは、当たり前と言われればそれまでかもしれない。だが近年ではそれが“当たり前”ではなくなってきているようだ。

3年前、イギリスではスターバックスの租税回避が問題になった。

その方法は、言わば「粉飾赤字」である。他国のスターバックス現地法人にあらゆる名目で送金することで、純利益を帳簿から消し去ってしまう。

国は苦戦している企業からカネを取るわけにはいかないから、スターバックス・イギリスが赤字を出した年の法人税は大幅に軽減される。

こうしたやり方はイギリスに限らず、世界各国で問題になっている。だが一つ言えるのは、これが「違法なやり方ではない」ということだ。

各社はあくまでも、その国の法律に準じて租税回避を実行している。国家としては、まさか事後法で取り締まるわけにはいかない。常に後追いで法律を整備するか、黙って見ているしか選択肢はないのだ。

しかも国によっては、世界的企業の租税回避のおかげで、国家経済が成り立っているという所すらある。主だった産業のない小国は、特にタックスヘイブン化しやすい。

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