「ニコニコ超パーティー2015」潜入レポート 内輪ノリが生んだ最高の学祭感
こんにちは、はじめまして。「nerimemo」というブログを書いている、ねりまちゃんと申します。
金麦が好きで、雑誌やラジオ、アニメも好きな、ごく普通の女オタクです。旅行も好きなので、よく旅の記事を書いています。
さて、読者のみなさまの中で、ニコニコ動画やニコニコ生放送などで知られるniconico(ニコニコ)をご存じの方はどのくらいいらっしゃいますか? おそらくほとんどの方が※1「ノ」と手を上げてくださったかと思います。
※1 ニコニコ動画やニコニコ生放送などで、手を挙げている様子を表現するためによく使われる
ではそのなかで、ニコニコのリアルイベントに参加したことのある方はいらっしゃいますか? こちらはどうでしょうか、「ニコニコ超会議とか、名前は聞いたことあるけど実際には……」という方も多いのではないでしょうか。
たまに動画や生放送は見るけど、リアルイベントには行きづらい。その理由として、ニコニコは「歌ってみた」や「踊ってみた」といった、独自のハイコンテクストな文化で成り立っているので、なかなかその地へ踏み込みづらいということがあるかと思います。
私もまさにその1人。イベントの存在を知ってはいたものの、「自分が行っても内輪ノリに馴染めないんじゃないかな」と、ずっと感じていました。
そんな思いの中、10月25日に、名前は聞いたことあるけど実際に行ったことはない、ニコニコ最大の大規模ライブイベント「ニコニコ超パーティー2015」が、さいたまスーパーアリーナで開催されました。
これまで「ニコニコ超パーティー」は、「ニコニコ超会議」と同日に、同じ会場である幕張メッセで開催されていましたが、第4回目となる今回は、超パーティーでは初めて、別日程かつ、別会場で開催されたのでした。
今回は、こんな私がはじめて「ニコニコ超パーティー2015」に行って感じてきたことを書いていきたいと思います。
最俺、キヨらが証明したゲーム実況主の人気 ニコニコ超パーティーで見た彼らの力とは
今年はライブステージとゲーム実況エリアの2つに分けて開催
まず最初に、今年の「ニコニコ超パーティー」についてざっくりと説明していきます。「ニコニコ超パーティー」とは、ニコニコユーザー参加型の巨大ライブイベント。
今年は、「歌ってみた」「踊ってみた」「演奏してみた」など、主にニコニコ独自の文化で活躍するユーザーがパフォーマンスを行うライブステージの他に、近年、注目を集めるゲーム実況主と呼ばれる人たちがステージでゲームをするゲーム実況エリアの2つのエリアに別れて開催されました。
ゲーム実況エリアは、ステージの1つではなく、コミュニティアリーナと呼ばれる、3,000人から4,000人が入るとっても大きくて広い場所で行われていました。
いまのニコニコやゲーム実況というカテゴリーの隆盛を、会場の配置からも感じることができますね。ゲーム実況エリアの様子は、後ほど別の記事で紹介します。
俺たちがつくった俺たちのパーティー
「LOVE」「SMILE」「CHAOS」「DREAM」という「愛と微笑み、混沌と夢」の4章に別れたライブステージでは、まさにニコニコの各カテゴリで活躍するユーザーが次々とパフォーマンスを披露していきます。
演奏される曲は、ボーカロイド曲やニコニコで人気のアニソン。それを歌うのは歌い手さん。さらにそのステージを盛り上げるように踊るのが踊り手さんです。
彼らがステージに登場するなり、とてつもない歓声や悲鳴が飛び交うわけですが、初めての私には何がなんなのか到底わかりません。ああ、ここには「ニコニコ動画が大好き過ぎるニコ厨にしかわからないコンテンツ」の空間が広がっている……。
まさに「俺たちがつくった俺たちのパーティー」であり、楽曲ごとにきちんとペンライトの色を変えることのできる観客のみなさんは、ニコニコというフィールド上に存在する楽曲の数々、パフォーマンスする歌い手さんのことなど、説明せずとも理解しているのです。
私のようなニコニコに疎い人間は、圧倒されてしまい、取り残されそうになってしまうかも……と、不安を感じながらも、むしろ「そのすさまじい熱量の理由を知りたい!」と逆に引き込まれていきました。
第一部は、あの歌手のGACKTさんによく似た神威楽斗が性(生)徒会長を務める学園という設定の、GACKT presents 神威♂楽園による「☆B'z☆ウルトラメドレー」からはじまります。
B’zの名曲の数々を「ウルトラソウル! ハイ!」で繋いでいくという、ニコニコで人気のMAD(二次創作物)動画シリーズ「歌の後に○○シリーズ」から、「歌の後に『ウルトラソウルッ!』をつけるとこうなる」を実際に再現していました。
演奏メドレー「*ハロー、プラネット。」では、ギターをしゃべらせているかのように弾くRio.Tさん、バイオリンをしゃべらせるかのように弾くてっぺい先生さん、ロボット掃除機・ルンバで演奏するkamocさん、フロッピーディスクで演奏するdominoTECH(ヒューズ管P)さんが登場し、「楽器をしゃべらせる」×「楽器じゃないものを楽器にする」という奇跡のコラボが実現。
さいたまスーパーアリーナのスクリーンに映るルンバ! そして懐かしのフロッピーディスクドライブ! こういった「ニコニコ技術部」と呼ばれる、ニコニコユーザーによる科学的な発明の活躍に、歓声と笑いが上がるところを見せつけられ、ニコニコ動画の文化の懐の広さ、そしてユーザーのみなさんの「おもしろがる力」に感服いたしました。こんなおもしろい方々を、みなさんだけで楽しんでいたなんて……。
第二部「SMILE」には、大御所演歌歌手の小林幸子さんが登場し、ご自身の声を元に制作されたボーカロイド「Sachiko」とのデュエット曲「脳漿炸裂バーサン」を巨大かたつむりの「つむこ」に乗って披露していました。
さらに超パーティーでは「ヲタ芸」もステージにのぼります。
サイリウムを駆使したヲタ芸集団・ギニュ〜特戦隊の、UO(ウルトラオレンジ)を使ったヲタ芸が、楽曲「サマータイムレコード」で披露されました。真っ暗な会場のどまんなかのステージに輝く神々しいウルトラオレンジの光……。残光が弧を描く美しさに、ヲタ芸の魅力を再認識。
最高の学園祭の体育館
ラブライバーの二胡奏者として知られる桐子さん。なぜかドン・キホーテのテーマ「MIRACLE SHOPPING」を歌う恭一郎さん。楽曲「こちら、幸福安心委員会です。」で、客席に「アンダーバーは最高です!」とコールさせる__(アンダーバー)さん。めちゃめちゃ可愛い9歳の踊り手・りりりさんと、続々とニコニコで有名な歌い手さんや踊り手さんがステージでパフォーマンスします。
なんでもありのカオスな空間に巻き込まれながら、「いい曲だなぁ」「この人おもしろい……! 家で検索しよう!」とメモを取りながら見ていると、次第に「ああ、ここは『他校の学園祭の体育館』みたいだな」と感じるようになりました。
自分は他校生だからパフォーマンスをしている人の素性は知らないけれど、すごくかっこいい曲を演奏するバンドがいたり、ダンスが上手い女の子がいたり、ルンバで演奏する人がいたり、ネタに走っているグループがいたり。
この、さいたまスーパーアリーナという体育館にいる多くの生徒たちは、壇上に上がっている出演者たちが同じクラスのおもしろい同級生だったり、あこがれの先輩だったり、可愛い後輩だったりするのでしょう。
それを「内輪ノリ」と呼ぶのであればそうかもしれないけれど、出演者と来場者合わせて約1万5千人のこの学園は、他校生の私にとって、まるで今まで知らなかったスターを見ているかのような魅力的な体育館をつくり上げることに成功しているように感じました。
また、他校生の私でも楽しめた理由の1つに、この魅力的な空間に加えて、ステージの演出も一役買っていました。
ネットとリアルを融合させるライブ演出
実は今回の「ニコニコ超パーティー2015」では、これまでにニコニコ生放送で使われてきた新しい技術がてんこ盛りの演出が仕掛けられていました。
「ラズベリー*モンスター」という曲では、顔出しをされていない、花たんさんという歌い手さんのバーチャルキャラクターを、ディラッドスクリーンに映し出し、リアルタイムモーションキャプチャーでそのキャラクターを花たんさんご本人が動かすという、なんとも画期的な試みが行われました。
さらに、そのライブは360度カメラで映し出され、特定のスマホと組み合わせて使えるVRヘッドセット「Gear VR」を装着し、「niconicoVR」アプリを使用することにより、新しいライブ参加体験が可能に! 実際に会場外からギアを覗かせていただいたのですが、なんとステージ上の花たんさんがすぐそこでダンスしていて、なんと自分もステージにの中にいるような感覚に! こんなに近くで見てしまっていいんですか!?
「もしや」と、後ろを振り向くと、ペンライトを振るお客さんたちが! これは、ステージ上に専用のカメラ(全天球ライブカム実験機)を設置することで、無線で映像を「Gear VR」に飛ばしていたそうです。この没入感はすごい!
株式会社リコーによる全天球ライブカム実験機の担当者は、「もっと小型化してアーティストの目線の位置に置くことができたら?」「例えばドラマーの足の間に置いたら?」「客席からでは見れないアングルからのライブ体験が出来たらどうなるだろう?」と、思わずワクワクするような今後の展望について話してくれました。
もし、全天球ライブカム実験機が製品化されれば、ニコ生主さんの生配信に使える……。そうすると、360℃なので生主さんの生活が丸見えになってしまうかもしれませんね……。
初音ミクは、間違いなく出演者としてそこに立っていた
さて、話をステージに戻します。ライブステージのラスト第4章「DREAM」では、メインスクリーンに映し出されたラップトップの中にいる初音ミクが、画面を破り、飛び出し、壇上のディラッドスクリーンへ。生バンドのセンターで歌うボーカロイドのみなさんは、間違いなく出演者としてそこに立っていました。
多くのディラッドスクリーンを用いたライブでは、背景を屏風のように演出したり、ニコニコ動画の背景をボーカロイドたちの後ろに映し出すことで、ニコニコらしさ、そして“そこにいる感”を感じることの出来る素晴らしい演出でした。

最後に演奏された曲「さよならメモリーズ」では、一夜限りの夢としてこちらの世界にラップトップを破ってまで遊びに来てくれていたボーカロイドたちが、画面の向こうへ帰って行ってしまう演出……! もう、思わず涙が出てしまいました。
だって、彼らはこの夜、確実にこちらの世界に来てくれていたんです。まさに気分は「もう帰っちゃうのー!?」です。……バーチャルアイドルが現実になったら、確実にハマってしまう自分の未来が予測できました。
ライブはさらにテーマソングである「Paintër」が披露され、アンコールへ。ラストは「桜ノ雨」の客席&出演者全員での合唱。スクリーンに映る会場のみなさん、出演者のみなさんが涙を流しているのを見て、ここにいる人たちはみんなニコニコが大好きでここにいるんだ、客席とステージに壁がないような一体感を改めて実感しました。

はじめは「自分が行っても内輪ノリに馴染めないんじゃないかな」と恐る恐るの参加だった私ですが、むしろなんでもありのカオスな空間だったことで、自分のおもしろいと思うポイントをついてくれる方がたくさんいらっしゃいました。
この記事を読んでくださっている「ニコニコ詳しくないし……」「怖いところじゃない……?」とお思いの読者のみなさま、むしろ「超パーティーからはじめる」というのも良いのかもしれません。
ニコニコって、ランキングに載っている動画であったり、もしくは自分の知ってるキーワードの動画じゃないと、自分からおもしろい動画を探すって難しいな、とずっと感じていました。
でも、今回の「ニコニコ超パーティー2015」に参加したことによって、8時間たっぷり使って、他校のおもしろい人を紹介していただいたような気分でした。
これからメモをとったおもしろい動画投稿者さんの名前を検索ワードに打ち込んで、ニコニコの世界へ踏み込んでみようと思っています。そして、来年は今年よりもニコニコの文脈を理解した状態で、また絶対ここに来ようと思います!
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【ニコニコ動画】【公式】ニコニコ超パーティー2015ダイジェスト ※ネタバレ注意