【雑学】おしゃれの街、フランスのファッション文化は「トイレ」から生まれたってほんと?

学生の窓口

年齢・性別を問わず気になるのが「おしゃれ」。女性の定番アイテムであるハイヒールや香水は、劣悪なトイレ事情から誕生したのはご存じでしょうか?

中世のフランスには「トイレ」と呼ばれる場所はなく、部屋のなかで「いす式便器」つまり「おまる」を使う風習だったため、だれかが用を足すと部屋は悪臭で満たされ、香水をかけたハンカチで鼻を覆ってガマンするしかありませんでした。おまるが「ブツ」でいっぱいになると、庭や道路にぶちまけて処理…ファッションの都・パリは汚物まみれの街だったので、服を汚さないためにハイヒールが誕生したのです。

■おとなも子どもも「おまる」を愛用

中世ヨーロッパでは「トイレ」専用の空間どころか、「いす式トイレ」を使うのが当たり前でした。いす式といえば聞こえは良いのですが、つまりは汚物を溜める受け皿がついた「おまる」で、おとなも女性もこれを利用していたのです。見ためはアンティーク調の立派ないすなのに、座面がくりぬかれ、洗面器のような「器」が取り付けられたいすが現存し、場所を問わない「どこでもトイレ」として使われていたのです。

ヴェルサイユ宮殿にはトイレがない、なんて話を聞いたことがあるでしょうか? これは半分正解で、

 ・初期はいす式しかなかった

 ・のちに固定式トイレが設置された

ために生じた「都市伝説」というべきでしょう。「ない」どころか、いす式なら量産もたやすく場所も問わないので、ヴェルサイユ宮殿はトイレだらけだったのです。いっけん便利そうな「いす式トイレ」にも弱点があります。おわかりのように「におい」と「汚物」の処理方法で、現代ではあり得ない手段でおこなわれていたのです。

汚物は受け皿にたまるので問題ありませんが、においは当然ながら開放式…だれかが用を足せば、部屋中がウン○臭に満たされるのは当然の結果です。ところが換気扇があるわけでもなく、ほかのひとはひたすらガマンするだけ。女性たちは香水を染みこませたハンカチを鼻にあて、香りでごまかすのが定番でした。

■中世のフランスはウ○チの都!

汚物の処理方法はまさに驚愕(きょうがく)で、宮殿なら庭、市民は道路へブチまける、と原始的な手段がとられていました。「エチケット」には荷札や立て札の意味もあり、ヴェルサイユ宮殿の庭師が「これじゃたまらん」と、立ち入り禁止=汚物捨てるな、の札を立てたのが語源とも言われています。ペットならいざしらず人間がおこなっていたのですから、伝染病がまん延したのも当然と言えるでしょう。

街なかではさらにヒドく、たまった汚物は道路にブチまけるのが当たり前で、アパートの高層階からは窓を開けて投下! 通行人にかからないよう、捨てるまえに声をあげるのがマナーだったようですが、やっていることは犯罪レベル…マナーを気にしている場合ではありません。当然、街じゅうは○ンチだらけで歩くのもひと苦労…靴はもちろん長いドレスもあっという間に汚れてしまいます。そこで誕生したのが「ハイヒール」で、

 ・服の裾(すそ)が汚れないよう、高さを増す

 ・汚れてもすぐに掃除できるよう、かかとをとがらせる

工夫がなされたと考えられ、おしゃれどころか汚物が生みの親だったのです。

フランスのファッションは劣悪なトイレ事情から始まった…勇気のあるひとは、クリスマス・パーティでめかし込んでいる女性に話してみてください。

■まとめ

 ・ヨーロッパでは「おまる」と同じ構造の「いす式トイレ」が定番だった

 ・ヴェルサイユ宮殿には「トイレがない」的な話も半分正解

 ・「エチケット」の語源は、庭に汚物を捨てさせないための「立て札」説が強い

 ・街では道路に捨てるのが当たり前。ハイヒールは汚物対策として誕生した

(関口 寿/ガリレオワークス)

「【雑学】おしゃれの街、フランスのファッション文化は「トイレ」から生まれたってほんと?」のページです。デイリーニュースオンラインは、歴史雑学ファッション海外カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る