【西成あいりん地区】泥棒市の主力商品となりつつある"向精神薬"のウラ側 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

睡眠薬関係で言えば、大きさにもよるが、マイスリーは50~80円弱、レンドルミンが30円弱、ハルシオンが約15円位である。それが医師の処方により処方箋を渡されて薬局で1週間から最大1か月分処方される。ここではどの様な値段でどの様な取り引きが行われているのか。売り主は生活保護受給者である。

 それは生活保護法により医療費が無料である為に、元値がかかっていないからである。その様な人間が1種類の薬を抜かして1錠10円で買い取りをしてもらう。普通、睡眠薬の処方は導入剤、睡眠薬のセットで処方されている人間が多い。だから最大で導入剤2種類、睡眠薬1種類の約90個が処方される。それを密売人が約900円で買い取りを行う。つまりワンシート100円である。それを人気のある商品には高値、大体が1500円、通常の睡眠薬は1000円でワンシートの売買が行われる。

 では先に書いた1種類の薬とは何か。それはエリミン、通称赤玉と呼ばれる非常に人気の高い薬である。この薬はよくドラッグを抜く時や酒に混ぜて悪さをする際に使われる薬である。その為に製薬会社は今年の11月で生産中止を決めており、この11月以降は急速に不足することが予想されている。あれ程悪評のあったハルシオンでも実はジェネリックと呼ばれる後発医療品が5種類位存在している。しかし、このエリミンはそのジェネリックがない。その為に、この市場にも中々出回っていない。現在の闇の通常価格はワンシート2000~3000円である。薬価が20円弱に対し、買い取りは1錠100円。つまり通常の睡眠薬の10倍の値段である。この価格の変動は紹介者の関係もある。現在、なかなか闇市場には出回らないため、これからも買い取り価格は上昇していくと言われている。

 エリミンが出始めるのは生産が中止になり、薬局の在庫が切れて人々が「通称赤玉」を探し回る時期だろう。だから、この地域では睡眠薬の処方でエリミンを求める患者が数多く存在する。在庫が切れるのも他の地域より早いだろう。本当に体調不良で処方されている人間には代替え薬が無いために、不自由にならざるを得ない。闇市場が正規医療の足を引っ張っていいはずがない。厳重な取り締まりを期待したいところだ。

Writing by 西郷正興

Photo by K-SAKI(コラージュ)

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