【実験】60人集まれば「誕生日」が同じ人がいるってほんと?
パーティや飲み会が増える年末。誕生日が同じひとにめぐり会った!なんて話もときどき聞きますが、60人も集まれば出会えるのはご存じでしょうか?
1年は365日だから同じ誕生日のひとに出会うのは366人目、と答えるひとが多いでしょうが、これはマチガエ。「重複しない」確率はもっと低いので、10人集まればおよそ8分の1、57人なら99%の高確率で出会えるのです。
■8回のパーティで運命のひとに出会える?
自分と同じ誕生日のひとと出会う確率はどれくらいでしょうか? うるう年は無視して1年を365日、盆や正月なども含めムラなく均等に誕生日になると仮定すると、自分の誕生日は「365分の1」と表現できます。これは何月何日でも同様なので、誕生日が同じひとに出会える確率は、
・365分の1 × 365分の1 = 約13万分の1
と考えるのが自然でしょう。
もしくは、
・365人集まっても、全員の誕生日が「異なって」当然
・366人集まれば、1人は重複するはず
よって366分の1。どちらも「もっともらしい」考え方ですが、じつは不正解。もっと少ない人数でも高確率で出会えるのです。
逆に「同じ誕生日が一組もいない」確率を考えてみましょう。Aさんから順に人数を増やしていくと、1人目のAさんは365日いつでもOKなので確率は1(=100%)、2人目のBさんがAさんと「同じじゃない」率は365分の364になります。同様に続けると、
・3人とも違う … 1×(365分の364)×(365分の363)
・10人とも違う … 1×(365分の364)×(365分の363)× … ×(365分の356)
となり、10人集まっても同じ誕生日のひとが「いない」確率は0.88、88.31%であることがわかります。
ここで「誕生日が重複する確率」に話を戻すと、
・10人とも違う率 = 88.31%
・同じ誕生日のひとがいる率 = 100%-88.31% = 約12%
と、10人集まるパーティに参加すれば、あなたと同じ誕生日のひとと出会う確率は12%、8回に1回は「運命のひと」に出会えるのです。
■23人集まれば、重複しないのがフシギ
さらに人数が増えるとどうなるでしょうか? 同様に誕生日が重複「しない」率をあげると、
・20人 … 58.86%
・23人 … 49.27%
・40人 … 10.88%
・50人 … 2.96%
・57人 … 0.99%
と、23人で半数以下となるので同じ誕生日のひとが「いる」率のほうが高くなります。57人なら「いる」率は99%、ほぼ確実にひとりはいる状態になるのです。
どうしてこんなに高確率なのでしょうか? 13万分の1どころか366人集まる必要もないのは「条件」が違うからで、
・重複するひとがいる = 何組いても構わない
・1組いる = 2組以上の確率を除外しなければいけない
と、とっさに「1組だけ」と考えてしまい、厳しい条件をつけてしまったからです。
パーティで「運命のひと」に出会ったら、こんな確率の話をしてみてはいかがでしょう。ただし、57人集まればほぼ確実に起きる「運命」ではありがたみが薄れてしまうので、すこし大げさに話したほうが良さそうです。
■まとめ
・57人集まれば、約99%の確率で「同じ誕生日のひと」がいる
・23人以上なら、誕生日が「重複しない」率のほうが低い
・重複するペアが「1組もいない」率から逆算するのがポイント
(関口 寿/ガリレオワークス)