ロボットが人に近付くには、超えねばならない「谷」がある
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『不気味(ぶきみ)の谷現象』と呼ばれる仮説がある。
これはロボットや人形の外観や動作が、人間に近付き過ぎると親近感や好感を超えて、かえって嫌悪感を催し不気味に思えてしまう現象が起きる段階があるというものだ。
その谷を通り過ぎて、完全と言える程似てくると再び好感を持てるようになるとする仮説だ。
提唱者は東京工業大学名誉教授の森政弘氏。
このロボットの外観や動作などが人間に近付く際に、あまり似ていない段階では可愛く感じたりして好感を持てるが、極めて似ている段階で一旦不気味になり、それを超えて全く同じになれば親近感を得られるということで、『不気味の谷』と呼んだ。
しかし、この仮説には反論も出ていた。あくまで仮説であり、そのような現象は疑わしいとされていたのだ。
ところがこの度、米国のスタンフォード大学とカリフォルニア大学の研究者等が、『不気味の谷現象』を確認できたことを発表した。
■ 実験で現れた「谷」
研究者らは、80体のロボットの顔を撮影してサンプルを作り、被験者に見せて反応を確認した。
但し、有名人のロボットなどは親近感をもたらしてしまうので除外された。

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もし『不気味の谷現象』が現実に存在すれば、今後社会的に、人間のパートナーとなっていくロボットが備えて行くであろう人間らしさが、ある段階で、人間に不信感や嫌悪感を催させてしまう可能性がある。
実験では、80体のロボットを見た被験者にアンケートを行った。
その結果、ロボットが人間らしさを強めていくに従って、一旦好感度が上がったものの、かなり人間らしくなった段階から、好感度が一気に落ちていくことが分かった。
そして、人間らしさが完璧に近付くと再び好感度が上がったのだ。
つまり、“谷”が現れたのである。

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また、研究者らは、信頼性の実験も行っている。古典的な投資ゲームをさせたのだ。
被験者が100ドル持っているとして、ロボットの顔を見て、どのくらいの金額を預けられるかを判断させたのだ。つまり、ロボットからのリターンが大きくなる期待をさせるかどうかを判断させたわけだ。
すると、このテストの相関性は、先の好感度の相関性と同じ曲線を描いた。
つまり、ロボットに対する信頼度にも『不気味の谷現象』が現れたことになった。

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■ 人間化するロボットの課題
さらに、80体のロボットサンプルとは別に、画像処理ソフトを使って作成して、いかにも機械らしいロボットから人間の写真までのサンプルを合成して実験したところ、やはり好感度も信頼性も先の実験と同様の結果を出した。

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つまり、私たちは、いかにも機械じみたロボットには好感を持たないが、キャラクター化されたロボットには好感を持つようだ。
しかし、それが人間らしさを目指した途端、本物の人間との僅かな差異が不気味さを醸し出してしまうらしい。
それならばいっそ、人間らしくないキャラクターか、思いっきりリアルな人間らしさを備えてくれた方が良いと言うことになる。
この実験の結果は、未来のロボット社会に備え、これからあらゆる場面で登場してくるロボットが、人間に受け入れられるには、どうすれば良いのかを考えさせることになりそうだ。
【参考・画像】
※ Navigating a social world with robot partners: A quantitative cartography of the Uncanny Valley – ScienceDirect
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