遺伝子を「編集」する世界初の治療法、1歳女児が白血病から奇跡の回復
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5か月前、英国でレイラ・リチャーズちゃんの両親は、まだ小さな娘の病状は非常に厳しく、残された時間は短いことを伝えられたという。
生後14週間で、小児がんの中で最も多いと言われる『小児急性リンパ芽球性白血病(ALL:acute lymphoblastic leukaemia)』と診断されたレイラちゃん。
医師をして「これまでに見た中で最も攻撃的な形態のひとつ」と言わしめる状態で、効果的な治療の方法がなかったそうだ。
そこで、ロンドンのグレート・オーモンド・ストリート病院(GOSH)を中心とするチームは、『分子ハサミ』と呼ばれる技術によって、遺伝情報を編集した『デザイン免疫細胞』を用いた治療を施した。
まだ、研究室でテストが済んだ段階だったこの療法だが、レイラちゃんの病状に対し効果を見せ、つい先日には同院が世界で初めての成功を発表。
海外で大きな注目を集めている。
■ 遺伝子操作した細胞「UCART19」を利用
化学療法は多くの白血病患者に施され、効果を上げることの少なくない方法だ。しかし、薬物療法に対して抵抗力がある場合など、がん細胞が攻撃的な形態の場合にはうまくいかないことも。
2014年6月に生まれたレイラちゃんは、誕生時は健康だったものの、生後わずか14週間で急性リンパ芽球性白血病と診断。
すぐさま高度な医療体制が整うGOSHへと移り、すぐに化学療法を開始した。数ラウンドの抗がん剤治療や骨髄移植が行われ、一度は良い方向に向かったと思われたが、7週間後にがんの再発が発見された。
そこで、GOSHのチームは、もはや緩和ケアくらいしか処置が残されていないと思われたレイラちゃんに対し、遺伝子操作した細胞『UCART19』を使うことにしたのだ。
■ 「分子ツール」を用い遺伝子をリプログラミング
この治療方法は、『T細胞』として知られる免疫細胞に、白血病と戦う新たな遺伝子をに加えることで成り立っている。
非常に正確な“ハサミ”のようにはたらく『分子ツール』を用い、特定の遺伝子を編集することで、細胞が強力な薬から不可視な状態になり、また白血病細胞だけをターゲットにするようリプログラミングできるということだ。
当時、GOSHの医師らが進めるこの技術は、臨床試験前テストの最終段階を迎えていた時期だった。
しかし、レイラちゃんについて知らせを受けた後、チームは新しい処置方法を行う特別許可を与えられたのだ。
■ レイラちゃんの回復に「ほとんど奇跡」とする医師も
今回の治療法では、患者の静脈内に1mlの『UCART19』を注入。細胞が体内に届いた後は、免疫システムが極めて弱まっている状態の身体を感染から防ぐため、しばらくの間は隔離状態に置かれることになる。こうした段階を踏み、徐々に回復へと向かうそうだ。
開始して数週間が経過すると、レイラちゃんに対する処置が効果を挙げていることを示す兆候が見られ始めたという。
臨床に使われる初めての例だったため、チームにも効果が現れるか、それがいつ頃なのか、このタイミングまで分からなかったとのことだ。
彼女の患っていた白血病はとても攻撃的だったため、こうした反応は“ほとんど奇跡”だとする医師もいたほどだった。

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医師は白血病が患者の体内から取り除かれたことを確認し、また術後の骨髄移植は既に完了した。
レイラちゃんは、定期的に病院へ戻り骨髄細胞や血液の状態をチェックする必要があるものの、自宅で順調に回復しているということだ。
【参考・画像】
※ World first use of gene-edited immune cells to treat ‘incurable’ leukaemia – Gosh
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