全アイテム平均が300円代!気軽に楽しめハーブ/スパイスの味わいがクセになる『家バル』編

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全アイテム平均が300円代!気軽に楽しめハーブ/スパイスの味わいがクセになる『家バル』編

従来の缶詰のイメージを一新し、多少値は張るものの高級感があり、お酒のおつまみとして味と素材にこだわった、いわゆる「高級おつまみ缶詰」。前回の国分「缶つま」に続き、今回はアライドコーポレーションの『家バル』シリーズの登場である。こちらは「缶つま」に比べるとお手軽価格。そうなると気になるのはその味だ。今回もメーカーに確認した売上ベスト3と新商品2品を実際に酒の肴として食べてレポートする。

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株式会社アライドコーポレーションは、もともとタイ料理の食材や調味料の輸入販売を主幹事業としてきた食品総合商社。タイ料理好きにとっては、名の知れた会社だ。記者も同社のパクチードレッシング愛用者であり、今回の『家バル』はとても楽しみにしていた。
しかも同社の氏家代表は、タイ料理はもちろん、料理やワイン好きで知られ、自社サイト上でも、タイ料理の「料理実験室」というレシピ実験コーナーに自ら参加するほど。『家バル』シリーズでも、全14アイテムの企画、商品開発にも携わっているのだとか。
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『家バル』シリーズのコンセプトは、「缶をあけたらすぐおつまみ! お家でバルのおいしさを」。パッケージにはすべて、「ワインと楽しむ」というキャッチフレーズが書かれている。若い人の酒離れが叫ばれる中、家で酒やつまみを楽しむ“家呑み”が拡がり、それと時を同じくしてワインの低価格化が進み、ワインは贅沢品から日常飲む酒に変化した。
そんな時代背景のニーズにこたえ、『家バル』シリーズは2013年に発売開始。家で気軽に楽しむワインに合う”きちんと美味しい”新しい缶詰として開発されたのである。
『家バル』シリーズの特長のひとつは、その手軽さを実現する価格設定。現在発売されている全14アイテムの税込価格の平均を計算してみると378円で、高くても450円、最も安いものが308円というリーズナブルな設定だった。高級おつまみ缶詰としては、かなりのお手頃価格である。
また缶詰の内容量が多く、「あさりのスモーク」は一缶にあさりが100粒びっしり。内容量が100g前後のものが普通で、このような価格やボリュームは、前回の「缶つま」に比べても圧倒的な魅力にもなっている。
というわけで、そのお手頃な『家バル』、早速味を確かめてみよう。

■売上げ第3位は・・・・
まず売上げの第3位だが、「サーモンとディルのオイル煮」である。
こちらは、税込価格380円で内容量はサーモンとディルの固形量で80gとなっている。
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サーモンと一緒に入っているディルとは、よくマリネやスモークサーモンに添えられる細葉のハーブで、魚の臭みを消す爽やかな香りと、ちょっとほろ苦い刺激が美味しい。
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使われているサーモンは、からふとますで、パプリカ色素で着色もされているようだ。
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軽く湯煎して缶のフタを開けると、ディルとからふとますの香りが漂う。なかなか美味しそうである。
ところが食べてみると、やや身がパサパサしていて違和感を覚える。味は悪くないのだが、どうにも身が乾いていて、口の中でもさもさするのだ。
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味付けはクセがなく、薄味で上品に仕上がっているので、これを素材としてさらに料理を作るには向いているように思える。
またパサパサしている分、飲み物が欲しくなるため、酒のつまみとしては酒が進むかもしれない。ただこの食感は魚系の普通の缶詰のようで、少々期待はずれでもあった。オイルがオリーブオイルではなく大豆油だということも、きっとこの印象に影響しているように思える。赤身のサーモンではあるが、記者には白ワインが合うように感じられた。焼酎、もちろんビールにも合うおつまみである。

■売上げ第2位は・・・・
売上げの第2位は、「砂肝のアヒージョ」である。

アヒージョとは、スペイン・バル(スペイン居酒屋)の定番メニューで、オリーブオイルとニンニクで煮込む小皿料理のこと。食材に砂肝を使ったところが面白く、通常はエビやマッシュルームを使い煮込まれることが多い。
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さて、読者の皆さんは「砂肝」というと、やはりあのゴリゴリした食感を想像し、期待するのではないだろうか。
ところが、この「砂肝のアヒージョ」、そんな砂肝の食感が全く感じられないのである。煮込みすぎで、ゴリゴリ食感までとろけてしまったのだろうか。とにかく砂肝が口の中です~っと溶けてしまうのだ。砂肝というよりも“砂肝ペースト”といった風情なのである。
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またこちらも、オイルは大豆油使用。オリーブオイルではないので正確にはアヒージョと言えないかもしれない。にんにくと唐辛子まで使っているので、オリーブオイルの味わいを期待するが、違う。
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「砂肝のアヒージョ」は、125g入って、税込380円。
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このとろける砂肝には、食感からイメージしてワインよりもむしろサングリアなどのフレーバー系のドリンクが合うように思える。もちろん、昨今種類豊富なチューハイ系やウォッカ系のドリンクもいいだろう。ビールもいいが、ボディのしっかりした酒とは合わせたくないのは記者だけだろうか。

■売上げ第1位は・・・・
さて売上げの第1位は、「サバのグリーンペッパー」だ。その名の通り、サバを若いコショウの実と一緒にオイル漬けしたもので、こちらも使用している油は大豆油。
爽やかなグリーンペッパーの香りは少しするが、やはりオイル使いがどうも気になってしまう。
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しかもこちらのサバも「サーモンとディルのオイル煮」のサーモン同様、身がパサついて口の中でもさもさする食感。サバは安い缶詰ではお馴染みの食材だが、そうした安価なサバ缶の食感の延長線上にある気がした。
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こちらは固形量だけで112g入って税込330円。値段も他より安い設定がうれしいが、味的に高級感はあまり感じないのでそれほど得をした気がしない。
これが売上げ第1位というのは何が理由なのだろうか。美味しそうに見えて、しかもコスパが高い商品のように思えるからだろうか。料理用の素材として考えているのだろうか。いずれにせよ記者の個人的な感想としては、価格相応の味という印象だった。もちろん価格以下ということではないので、念のため。
「サバのグリーンペッパー」は、素材がサバであること、グリーンペッパーがそれほど強く主張しないことから、日本酒でもバッチリ合うおつまみであった。
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それにしても、この『家バル』の缶詰たち、アライドコーポレーションのサイトを見てもらえばわかるが、 使用されている写真がどれもとても美味しそうに写っている。同じことは缶詰のパッケージ写真にもいえるのだが、どれも「調理例」として、調理され皿に盛られた状態で撮影されているのが少々納得いかないといえばいかない。
またサイトには1つの提案として「半分をおつまみとして食べ、残り半分で料理して、家バルの仕上げとする」という趣旨のことが書かれているが、そう書かれると記者は逆に、あくまでも『家バル』は、素材として売りたいのだろうかと勘ぐってしまうのである。
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つまり素材として調理されることを前提に考えれば、安価でクセのない大豆油を使っていることにも納得がいく。それなら多少パサパサ感があっても、調理することで解消できるわけだ。しかし記者はそもそものコンセプト”缶をあけたら すぐおつまみ”を重視して、調理することなく試食を続けたいと思う。

■新商品から2品を試食
さて全14アイテムから、今年の新商品、2品をピックアップ。
まずは「牛肉とトマトの赤ワイン煮」である。こちらは今回食べた5品目の中で、一番洋食っぽいテイストの缶詰である。オーストラリア産の牛肉を赤ワインベースのソースで煮込んでいるが、このソースが結構甘口で、味は悪くない。
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内容量85gで、価格は税込450円。やはり味は価格に比例しているのか? と言ってしまっては身も蓋もないが、美味しいと思ったら全アイテム中、一番高価な商品であった。
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ソースには、マッシュルーム・玉ねぎ・ニンニク・人参が使われ、コショウ・バター・はちみつで仕上げられている。まろやかで、しつこくて、それでいて美味しい。
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素材の牛肉も軟らかく、かといって「砂肝のアヒージョ」の砂肝のような、歯ごたえの無さではない。
この缶詰には、やはりまず赤ワインだろう。また料理自体が甘いので、合わせるお酒は、甘くないものの方が相性がいいように思われる。
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新商品の2つ目は、「ホタテのアヒージョ」である。
これも使用されている油は大豆油。そのせいかこの缶詰は、名はアヒージョだが”アヒージョ”という感じがしない。どちらかというとボイルホタテの缶詰といった風情。確かににんにくや唐辛子が入って、スペイン風なイメージはあるのだが、やはり油のせいなのかアヒージョのあのキラキラと弾けるようなオイル感が感じられないのである。
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これが缶詰の限界なのか…。しかしアヒージョと名乗るものには、せめて油にこだわりを持って欲しかったと記者は思うのだ。
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ホタテの身は、多少崩れ気味で貝柱に歯ごたえはあまり感じられない。もちろん、つまみとして食べられないというわけではないが、こちらもやはり調理用の食材としてなら、より美味しさを発揮できるような気がする。白ワイン、ビールのつまみによく合うが、記者は魚介のパスタに入れて食べたい素材だと思った。「ホタテのアヒージョ」は85g入りで400円。これも内容量を考えると、シリーズ中で比較的高価な部類に入る。

以上、5品を食べてみて、 記者が最も美味しかったのは、新商品の「牛肉とトマトの赤ワイン煮」である。それはあくまでも缶を開けてすぐにつまみとして食べる前提でのこと。調理することも考えれば、「ホタテのアヒージョ」もいいと思う。
ここで改めて気づいたのだが、そもそもこのアライドコーポレーションというメーカーはタイ料理を日本に輸入して流行らせた会社。ヒット商品に「パクチードレッシング」があるが、その流れなのか、全体としてハーブ/スパイスのクセのある味わいに重点を置いている気がした。記者的には油にばかり引っかかってしまったが、クセのある本格ハーブ/スパイスの風味が好きな人には熱烈に気に入られるのではないか。そこが人気の秘密を解くカギになるのかもしれない。確かに最近はエスニックなハーブ/スパイス商品がブームを呼んでいる背景もある。
いずれにしても新商品の2品が良かったということで、これからも進化していく『家バル』に期待したい。

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