就活クエスト第8話 面接やESで「書くこと、しゃべること」がなければ「めんせつルーレット」をやってみよう!その2
「カジノ 無一文」に、戦士の先輩がやってきた。どうも、大酒飲みらしく、鼻は真っ赤。既に酔っているようだ。
ヒックウイー! おう、オマエら「めんせつルーレット」やってるのか? そうかそうか。ウイー! じゃあ、さらに上級バージョンを教えてやろう!
はっきり言っておくが、これをやると「めんせつ」の通過率が50%くらいアップしたってデータもある、すげールーレットなんだわ、ウエップ。
教えてほしい? じゃあ、いいけど、一杯飲んで行けよ。なら教えてやってもいいぜ! ヒックウイー!
●「めんせつルーレット 上級バージョン」をやってみようまず、トランプを用意して、カードを2枚引くぜ。で、1枚目、2枚目に出た数字に応じて質問文をつくって答えるんだ。
1枚目はこれ。
1=行動力があります。例えば…
2=人に好かれます。例えば…
3=明るい性格です。例えば…
4=向上心があります。例えば…
5=主体性があります。例えば…
6=頑張り屋で努力家です。例えば…
7=人を動かせます。例えば…
8=積極性があります。例えば…
9=目標を達成してきました。例えば…
10=人の話を聞きます。例えば…
11=創造力があります。例えば…
12=いつも課題を探しています。例えば…
13=計画性があります。例えば…
次、2枚目はこれ。
1~2=幼稚園のころ、こんなことが…
3~4=小学生のころ、こんなことが…
5~6=中学生のころ、こんなことが…
7~8=高校生のころ、こんなことが…
9~10=浪人時代or大学1年生の時、こんなことが…
11~12大学2~3年生の時、こんなことが…
13=ちょうど今、こんなことが…
そして、最後は次の言葉で締めるんだ。
「だから、私のモットーはこれなんです」
例えば、1枚目が8、2枚目が1なら。
8=積極性があります。例えば…
1~2=幼稚園のころ、こんなことが…
だな。
うーん。俺だったらこう答えるかな。
「私には積極性があります。例えば幼稚園のころ、先生の質問にどんどん答え、女の子が泣いているとなぐさめ、頼まれてもいないのに友達の誕生会を開いたりしていました。モットーは『自分から働きかけ、成功すれば、自分に返ってくる。失敗しても、学びがある。一歩前に出る人生は幸せだ』です!」
どうだ? よくできた答えだろ? じつはこれ、最後の「モットー」が大事なんだよな。
●面接では「モットー」を話して「美徳」は捨てよ!まず、1枚目のカードは、キミが主張すべき美徳だ。美徳は主張したほうがいい。でも、ダンジョンの「めんせつかん」は、キミを疑ってかかってる。「頑張り屋」とか言われてもピンとこない。キミが「めんせつかん」だったとして、ただそんなこと言われて「いいねー!」とか思うか?
だから2枚目のカードは、その証拠となるエピソードを言ってみて! ってことで引いてるわけだ。ウップ。でもって、最後に「モットー」を言うのはわけがある。
モットーがわかったら、1枚目のカード(美徳)は捨てちゃうんだよ。
仮に俺の話なら「頑張り屋」のワードを捨てる。そして、「私は一歩前に出る人生を歩んできました。例えば…」と始める。「頑張り屋」なんて言った時点で「この人、あまり自分のこと考えてないんだな」と思われちまうぜ。
じゃあ、さっそくやってみな。1枚目が3、2枚目が6だ。とすると「3=明るい性格です。例えば中学生のころ…」だな。
ない?
じゃあ一杯飲んで、次の問いだ。
また「話がない」だと?
いーや、そんなことはない。まあもう一杯飲んでよく聞けよ。
そもそもだ。自分のことが何も話せない人間が、自分にぴったりの仕事にありつけるわけないだろ? 自分の人生を誰が語ってくれるんだよ。自分自身しかいないだろ? 誰が自分の人生を愛おしく思ってくれるんだよ。自分しかいないだろ?
オマエが中学生の時に選択した行動、別の人間が同じことをするか? しないだろ。すべてがオマエらしい行動なんじゃないのか? 別に企業は「何とか大会で優勝!」とか「バイトで売り上げを伸ばした」なんてヤツばっかりほしいわけじゃないんだよ。「給食で牛乳を飲んでる友達を笑わすのが趣味でした。モットーは「僕の行動は全部、人を巻き込んで明るく!楽しく!です」だっていいじゃないか!
飲めよ。
…おっと、こいつもう寝ちゃってるじゃないか。
本日の武器
◎自分のいい点を思い出し、説得力があるエピソードとモットーを作ってください。
◎この「エピソード&モットー」を話す練習も、友達と一緒にやってみてください。
漫画●ゼロハチネット
文●夏目幸明
夏目幸明プロフィール
「マネジメント、経営、技術の3つが見えれば企業が見える」を旗印に様々な企業を取材する経済ジャーナリスト。大学・専門学校で就活支援、マーケティングなどの講師をつとめる。講義は「資格の学校TAC」などで聞けるほか、ネット放送で「就活SHOW」を行う。著書は「社長あるある」(朝日新聞出版社)など。